by Rman(R8.3.22)
対戦日 令和8年3月22日(日)  
対戦場所 Rman亭(RoR防府本部)
対戦者 Rman(インペリアルフィスト)、はたさん(ティラニッド)

イントロ




ゲームのルール




アーミー紹介







































































 


















































 


プロローグ

ドラシンの空は、腐敗した血の色に染まっていた。
かつて栄えた帝国の採掘惑星は、今や死の大地と化していた。
地殻を抉る酸性雨が降り注ぎ、残骸となったハイヴ・シティの残骸から、黒い煙が立ち上る。
空気は腐臭とオゾンの匂いに満ち、遠くから響くのは、無数のティラニッドの咆哮と、地を震わせる足音だけだった。

ハイブフリート・ベヒモスの侵食は、最終段階に達していた。数え切れぬゴーントの群れ、リッパー・スウォームとホーマゴントの波が、視界の果てまで埋め尽くす。
帝国防衛軍の防衛線は、すでに粉砕されていた。数百万の兵士が、ただの血肉の肥料と化し、惑星の土壌を赤黒く染め上げた。
生き残った臣民は、まだ数十万に上る。聖なるテラにほど近いこのドラシンが陥落すれば、ベヒモスの波は直接テラへ向かう可能性すらあった。

オルドゼノスの審問官たちは、すでに究極浄化――Exterminatus――の要請を検討し始めていた。
だが、まだ多くの臣民が生き、ドラシウムという帝国の生命線たる貴重な資源が眠るこの惑星を、無慈悲に焼き払う前に、最後の抵抗の機会が与えられた。

その最後の防波堤として、インペリアルフィストのタスクフォースが展開していた。
第一中隊のターミネーター・エリートと、第三中隊の主力からなる精鋭集団。黄色いアーマーが、灰色の荒野に鮮やかに映える。
彼らは、帝国の誇りそのものだった。死を恐れぬ不屈の戦士たちである。

指揮所は、厚さ数メートルのコンクリートとアダマンティウムの壁が、わずかな安心を与えるだけの、崩れかけた採掘施設の地下要塞に設けられていた。

現場を統括するのは第一中隊長ダルナス・ライサンダーと第三中隊長トール・ガラドン、そしてその副官たち。
戦団長グレゴール・デシアンは、遥か宇宙の彼方、ファランクス――インペリアルフィストの移動要塞――から、ホログラフィック通信で彼らを見守っていた。

巨大な要塞のブリッジから送られる映像は、わずかに乱れ、遅延を生んでいたが、戦団長の声は鋼のように鋭く響いた。
「兄弟たちよ……」デシアンの声が、指揮所のヴォックスから低く流れた。
「このドラシンは、聖なるテラにほど近い最重要の防衛線だ。ベヒモスの毒牙をここで食い止めねば、聖なるテラそのものが脅かされる。
予告されたオルドゼノスの究極浄化の前に、最後の抵抗の機会である。
これは帝国にとっての賭けそのもの……我々が耐え抜けば、テラは救われる。だがしかし、我らが全滅しようとも、ドラシウム資源を確保できれば帝国の勝利である。」

第一中隊長ダルナス・ライサンダーは、サンダーハンマー「ドルンの拳」を肩に担ぎ、岩のように無表情な顔に、瞳には燃えるような決意が宿っていた。

「戦団長、第一中隊はこの防衛線を死守してみせます。いや、我々ターミネーターは、ベヒモスの波をここで砕き、一歩たりとも、進めさせるつもりはない!
この『ドルンの拳』が、どれだけの異形を叩き潰すか……今こそ証明の時。テラの安寧のため、ドラシウムのため、そしてこの地に残る臣民の命のため。」

ライサンダーの言葉に、第三中隊長トール・ガラドンが頷いた。ガラドンはグラヴィス・アーマーに身を包み、強力なパワーフィスト「抵抗者の手」を握りしめていた。
彼の声は冷静だったが、微かな疲労が滲んでいた。長年の戦いで、第三中隊はすでに半減していた。
「戦団長、第三中隊も全力で応じます。副官たち、状況を報告せよ。敵の動きは?」

第三中隊副官アガトン・ダイタロスが、データスレートを操作しながら口を開いた。若いが経験豊富な戦士の声は、わずかに震えていた。
絶望が、彼の胸を締め付けていた。
「中隊長……敵先遣隊はすでに八キロ圏内です。ゴーントの波が地平線を埋め尽くし、後方にはカーニフェックスとゾアンスロープの影も見えます。
生体兵器の酸性噴射が、我々の外壁を溶かし始めています。持続可能時間……推定三時間。
ドラシウム精製プラントのデータコア転送完了まで、それだけ稼げば……」

隣に立つもう一人の副官、レクサンドロ・カストゥスが、歯を食いしばった。
彼はヘルムを被ったままだったが、ボイス・グリルから吐き出される声は、怒りと諦念が混じっていた。
「三時間か……我々の陣地は堅固だが、ティラニッドの適応速度は異常だ。昨日撃破した個体が、今日には我々のボルト弾を無効化する可能性すらある。
そして・・・我々は、ただ、盾に過ぎないというのか・・・」

ホログラフィック映像の中で、デシアンが重く息を吐いた。ファランクスのブリッジから送られる映像は、戦団長の顔を青白く照らし、無数の傷跡と灰色の髭を浮かび上がらせていた。
指揮所の空気が、さらに重くなった。
壁の外から、地響きが近づいていた。ティラニッドの咆哮が、風に乗って届く。絶望が、戦士たちの肩にのしかかっていた。

「ファランクスは貴殿らを見捨てたわけではない、カストゥス。」
デシアンの声が、遅延を伴いながらも静かに響いた。
「皇帝は我々を見ている。我々は帝国の意志そのものだ。たとえこの惑星が飲み込まれようと、ドラシウムの一粒が、別の戦場でテラを守る勝利をもたらす。それが、我々の死に値する意義だ。」

ライサンダーが、ゆっくりと頷いた。
「そうだ。絶望など、受け入れぬ。カストゥス、思い出せ。我々インペリアルフィストは、もとより壁となるために生まれた。ベヒモスの大群が来ようと、この要塞を突破させるものか。」

ガラドンが、「抵抗者の手」を握りしめ直した。
カストゥスは祈りを捧げるように帝国の象徴たる双頭の鷲を両手で示す。

その時、デシアンがヴォックスを切り替え、巨兵団レギオ・メタリカへの緊急コンタクトを指示した。
画面に映ったのは、プリンセプス・マキシマス「グリムヴァルド・レクス・マシーン」その人であった。
「インペリアルフィストの戦士たちよ。聞こえるか。我がレギオ・メタリカは全戦線でベヒモスと交戦中だ。貴殿らの要請は理解した……
しかし、支援できるのは一機のウォーハウンド・タイタンのみ。プリンセプス・セヴェリウスが操縦する機体を、今すぐ貴殿らの陣営へ向かわせる。オムニシアの名の下に、異形を灰とせん。
……だが、これが限界だ。時間は少ない。我々の機械神の化身も、やつらの酸に蝕まれつつある。」

グリムヴァルドの声は、機械的な冷たさの中に、わずかな共感と諦念を宿していた。

直後、別のヴォックス・チャンネルが開いた。ウォーハウンドのコクピットから、荒々しい声が響く。
「我はレギオ・メタリカのセヴェリウスだ。『クリムゾン・リーバー』の名を冠したこの機体は、すでに貴殿らの背後に到着した。ヴォイド・シールド展開、プラズマ・ブラストガンの充填完了。
インペリアルフィストよ、共に皇帝の敵を屠ろう。……だが、持つのはせいぜい二時間だぞ。」

要塞の背後に、巨大なシルエットが聳え立った。一機だけのウォーハウンド・タイタン。その巨体が、わずかな希望を投げかける――しかし、それは儚いものだった。
帝国の要請に対し、レギオ・メタリカが差し出せたのはこれだけ。絶望の淵で、ようやく得た一筋の光。

デシアンの声が、再び通信から響いた。
「プリンセプス・マキシマス、感謝する。セヴェリウス殿も。レギオ・メタリカの力添えがあれば、我々の盾はより強固となる。皇帝の御名の下に、共に戦おう。
……ライサンダー、ガラドン。貴様らに全てを委ねる。皇帝の名の下に、持ちこたえろ。」

外の空気が、急激に変わった。地平線が、黒い波で覆われ始めた。ゴーントの群れが、走り出していた。ガーゴイルの翼が、空を埋める。
地面が震え、要塞の壁が軋む。

ライサンダーが、「ドルンの拳」を高く掲げた。風が彼の顔を撫で、汗と埃が混じった表情が、戦士たちに不屈の意志を示す。
「ドルンの子らよ、配置につけ! ターミネーター部隊、前線展開! 第三中隊、火力支援開始! ドルン公と皇帝は我々と共にある!」

ガラドンが、副官たちに命じた。
「ダイタロス、カストゥス! 部隊を鼓舞せよ。臣民には、まだ希望があると伝えろ。我々が、ここで死ぬまで戦うと!」

ダイタロスが、声を張り上げた。
「第三中隊、皇帝に栄光を! 一秒でも長く、耐え抜け!」
カストゥスが、祈りのように呟いた。
「我々の血で、帝国の未来を、テラの安寧を、守るために……」

ホログラフィック映像の中で、デシアンが静かに目を閉じ、再び開いた。
ファランクスから見える敵影は、もはや無限だった。百万、いやそれ以上のティラニッドが、波となって押し寄せてくる。

「今、戦いが始まる……」彼の声が、遅延を伴って響いた。

「兄弟たちよ、皇帝の光を忘れるな。ドラシンは、我々の墓標となるかもしれない。だが、その墓標の上に、聖なるテラの勝利が築かれるのだ。」

要塞の滑走路で、エンジンの咆哮が轟いた。サンダーホーク・ガンシップが、次々と浮上する。
重武装の機体が、第三中隊の戦士たちを乗せて前線へ向かう。
空を裂くような離陸音が、絶望の空に響き渡った。

その中、一機のストームイーグル・ガンシップが、特別に待機していた。
ライサンダー率いるアサルトターミネーターたちが、一斉に搭乗する。ライサンダーは最後尾に立ち、雷撃ほとばしるハンマーを振り上げた。
「皇帝の名の下に! 前進!」

ストームイーグルが、猛烈な加速で離陸した。サンダーホークの編隊と共に、空を駆ける。

背後ではウォーハウンド・タイタンの砲門が輝き始め、インペリアルフィストの戦士たちが、一斉にボルトライフルを構える。
地平線の黒い波が、ついに射程に入った。最後の防波堤は、静かに、しかし不屈に、息を潜めた。

絶望の淵で、彼らはただ、皇帝のために立つ。ベヒモスの咆哮が、天地を揺るがすその瞬間――戦いは、幕を開けようとしていた。


セットアップは事前に準備






初期配置完了















































































































ゲームスタート















































































































































































































































































































































































































































エピローグ

ドラシンの大地が、死の咆哮に震えていた。ハイブフリート・ベヒモスの最終攻勢は、もはや波ではなく津波だった。
地平線を埋め尽くす黒い海――数億のゴーント、リッパー・スウォームの群れが、酸の雨を伴って押し寄せる。
背後にはカーニフェックスとバイオタイタンの巨影、そして頂点に君臨するスウォームロードのシルエットが、サイキック・オーラを放ちながら迫っていた。

第三中隊長トール・ガラドンは、グラヴィス・アーマーの重い足を踏みしめ、最前線に立つ。。
強力なパワーフィスト「抵抗者の手」が、血と酸にまみれながらも輝いていた。
「第三中隊! 全火力集中! 一秒でも長く耐えろ!テラを守るために!」

背後で、ウォーハウンド・タイタン『クリムゾン・リーヴァー』が咆哮した。プリンセプス・セヴェリウスが、機械的な声で叫ぶ。
「インペリアルフィストよ! このプラズマが最後の一撃だ! 共に死のうぞ!」
巨大な砲門が輝き、バイオタイタンの一群を蒸発させた。

その瞬間、ドラシンの軌道上からサイクロン・トーピドーとウイルス爆弾の雨が地表に降りそそいだ。

究極浄化が実行されたのだった。

ドラシンの大地が一瞬で炎の海と化した。

ガラドンはスウォームロードの刃に胸を貫かれながら、最後に小さく笑った。「これで……いい……テラが……守られるなら……」
スウォームロードも、ガラドンも、残存するインペリアルフィストの戦士たちも、全てが炎に包まれた。

ドラシンは完全に破壊され、かつての採掘惑星は、ただの灰とガラスの海となった。


遥か宇宙の彼方、インペリアルフィストの移動要塞ファランクス。

ブリッジで戦団長グレゴール・デシアンは、ホログラフィック映像が完全に暗転するのを見つめていた。
無数の傷跡の刻まれた顔が、青白い照明に浮かび上がる。

副官の一人が、震える声で報告した。
「戦団長……ドラシウム精製プラントのデータコア転送は……完了直前でした。九割二分がテラへ届いています。ドラシウムそのものも最大限に究極浄化直前に運びだされました。
臣民の避難船も……約三割が脱出に成功。
少なく見積もっても、ベヒモスの前進を、2ヶ月は遅らせました。」

デシアンはゆっくりと目を閉じ、再び開いた。声は低く、しかし鋼のように強かった。
「兄弟たち……我々の抵抗は、無駄でははなかった。ライサンダー、ガラドン、ダイタロス、カストゥス……そしてセヴェリウス殿。貴様らの死は、テラを守る壁となった。」

その時、もう一人の副官が、微弱な信号を拾った。「戦団長……。ライサンダー中隊長のストームイーグル残骸付近から、微弱な生体信号が……。
生死は不明ですが……まだ、脈打っています。」

デシアンの唇に、わずかな微笑みが浮かんだ。彼は黄金の鷲の紋章に手を置き、静かに言った。
「ドルンの子らは、決して折れぬ。たとえ惑星一つを失おうとも、我々の遺志は次の防波堤となる。
ライサンダー……お前が生きているなら、必ず帰ってこい。皇帝は、まだ我々を見守っておられる。」
ファランクスの窓から、ドラシンのあった方向を遠く見つめる。

最後の防波堤は崩れ落ちた。だが、帝国の希望は、わずかながら、確かに残った。


終わりに







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