アーミー概要
製作者 Rman
アーミー名 DARK WARRIORS OF HASHUT
ジェネラル名 黒き砦の奴隷王ガザック(グレートタウロス騎乗)
製作期間 2000年後半〜2001年前半
アーミーの規模 1500ポイント(5版当時は2500Pくらい)

ケイオスドワーフ!!

ウォーハンマーFBの7版時は巻末のリストに辛うじてステータスのみ記されていたケイオスドワーフ。
いつか再販されるのでは?とファンの間で期待は高まっていたものの、8版ルールブックからは完全に外され、設定の中で存在が囁かれるまでの影の薄い存在となってしまいました。
しかしながら、2011年5月現在、ようやくと言うか、ついにと言うか、フォージワールドから新ケイオスドワーフのモデルが続々とリリースされ始めました。
旧来からのファンにとってはまさに涙が出るほど嬉しい気持ち・・・かどうかは知りませんが(笑)、完全なアーミーリストの公開(本の発売)が楽しみでなりません。

そもそもケイオスドワーフってなんぞや?

昔からのファンにとってはケイオスドワーフがどんなアーミーかはご存知でしょうけど、ここで軽くおさらいしてみようと思います。

ケイオスドワーフは1994年、WHが4版の頃にWHITE DWARF誌で発表されたアーミーです。
後に公式アーミーとしてアーミーブックが発売され、その表紙にはWHITE DWARF Presentsと記されています。
ケイオスドワーフの特徴は1にも2にもその強烈にコミカルな外観でしょう。塔のように長い帽子、そして縦ロールの髭。
こんなギャグみたいなデザインながら、ミニチュアはフルラインナップ。最近の「ルールだけ」的アーミーリストよりも気合入ってます(笑)

雄牛の暗黒神ハシュートを崇める種族という設定があり、
下半身が牛になったドワーフやグレートタウロス、ラマスなど、ケイオスドワーフならではの独特の怪物が存在しています。
しかもドワーフのくせに魔法が使えるので、ソーサラーまでも存在しています。頑固で石頭なノーマルドワーフとはわけが違うのです!
しかし、魔法を使うと石化の呪いにかかってしまうという、ドワーフを意識させる面白い設定もありました(笑)。

また奴隷を使役するという側面もあって、各種グリーンスキンをアーミーに迎えることができるのも魅力でした。
コストは高いものの強力なドワーフ兵と、コストが安く数を稼げるグリーンスキンの混成軍ということで、当時としてもなかなかにバランスのよい強力なアーミーだったようです。

しかしながらそのコミカルな見た目がシリアスなWH世界にマッチしなくなったのが原因・・・・かどうかわかりませんが、
マニアの中での人気とは裏腹に6版でレイヴニングホードという簡易版アーミーリストでアップデートされたのを最後に、ついにその存在すら抹消されてしまったのでした。
ちなみにミニチュアも6版中期にはGW本社のオンラインショップからも完全に消えてしまい、今では入手はかなり(というかほとんど)無理な状況です。
それだけにフォージワールドからケイオスドワーフが発売されることは本当に感激ものなんですね〜。

我がケイオスドワーフ軍のキャラクター勢揃い。ジェネラルである奴隷王ガザックが騎乗するはハシュート神の化身グレートタウロス。
ガザックの髭の色は光で飛んじゃってますが、虹色です。もうわけわからん配色に今では苦笑せざるをえません・・・でもけっこう気に入ってるんですよね(笑)。
我が軍の徒歩キャラクター2名。どちらもほんと、威厳たっぷりで格好良いやつらです。
ちなみに左の人が持ってる鬼の面盾は東京ではしもとさんとお会いした際にパテを使って即興で作ってくださった逸品です。
このロードのまさにトレードマークになりました。今見てもすごい造形力ですよね・・・
ケイオスドワーフは魔法が使えます!左の2名はソーサラー。機械の義足を使っているのがスペシャルキャラクター「アストラゴス」。
下半身はすでに石化してしまっています。しかし、髭の色がピンクってヤバイですねぇ・・・

ケイオスドワーフとの出会い

僕がウォーハンマーを始めた時はケイオスウォーリアーにゾッコンで、他のアーミーには全く目がいかなかったわけです。
青いケイオスウォーリアーアーミーもけっこうな規模になった頃、
東広島で有機溶剤さんが経営されていたR4RというMTGのカードショップで卵帝さん、有機溶剤さんと出会い、
お店のショウケースに飾られたドワーフスレイヤーのミニチュアを見た時、僕はビビビっとくるものを感じたのでした。

ドワーフのミニチュアを見たのが初めてだった僕はそのあまりのちっこさが非常に愛らしく見えたのをよく覚えています。

そして、ドワーフやりたいなぁ〜みたいな話をしてると、「そういやケイオスのドワーフがいたなぁ」という話になり、
有機溶剤さん「いや、あのデザインはありえんだろう」
僕「いやいや、クソ格好良いですよ、アレは!」
卵帝さん「さすがに無いだろう・・」
みたいな感じで盛り上がりつつ、僕は購入を決意したのでした(笑)。

当時は人と違うことをしたい!という気持ちが非常に強く、ケイオスウォーリアーをコンバージョンするだけでは飽きたらず、
アーミー自体も当時でさえ日本ではレアだったケイオスドワーフが非常に魅力的に思えたんですよね。

ミニチュアは2000年当時の時点で小売店ではすでに扱っておらず、GW直通販ではかろうじて普通には購入できたものの、
オールメタルの非常にハイコストがかかるアーミーでしたのでコレクションするには中々厳しいものがありました。

当時の僕はまだ高校生でしたし、今のようにドカ買いできるだけの資金を念出するのが無理なことも分かっていましたので、
東京のTさん紹介で海外の小売店(店主がケイオスドワーフマニアで在庫を沢山かかえていた模様)からブリスターを安く売ってもらったり・・・・
そういえば売ってもらえる条件として、ケイオスドワーフのミニチュアをペイントし、それの写真を海外の店主に送り、その愛を証明する必要がありました(笑)。これは実話です。

そんな感じでちょっとずつ集めていたら、千載一遇のチャンスがめぐってきたのです。
それがGW−USのバーゲン。今時の値上げ続きのGWからは想像もできないことですが、昔は直通販なのに値引き(バーゲン)やらセット販売(超お買い得価格)は当たり前でした。
そこにケイオスドワーフアーミーが世界限定5セット、500ドル(当時1ドル120円くらいだったかな?)で発売されたのでした。
バラで買うより若干安いくらいでしたが、アーミーをまとめて購入するまたとない機会。
僕はもうお年玉前借り(+親戚からのお年玉で補填含め)親に無理やり頼みこみ、即日オーダー(笑)。
すると注文後にGWから「ゴメン、アレは500ドルではなくて400ドルだったから、請求は400ドルですよ」と超嬉しい連絡をもらいました。
なるほど、400ドルなら「かなり」お得な価格設定でした。

今にして思うとGWも手作り感の漂う会社だったなぁ〜と懐かしくなります(笑)。


コアユニットのウォーリアー。もう大好きですね〜このユニットは!今だったらもっと丁寧にかつ格好良く塗れると思います。
ちなみにバナーは関東の粥さんがRoRのサイト向けに送ってくださったイラストを縮小コピーしたものです。良い絵です(笑)。
非常に特殊な射撃方法だったブランダーバス部隊。新しいルールではどんな射撃方法になっているのか興味津々です。
僕のアーミーは接近戦ユニット=赤系、遠隔攻撃ユニット=青系という設定にしていました。

ケイオスドワーフ一気塗り

メタルが到着してからは勢いで製作を始めました。
まさに「勢い」って感じで2日(徹夜)で20体1ユニット塗りあげたり、1日でウルフライダー10体ぬったりとか、
今では全く考えられないくらい非常にお粗末な仕事をしてました。ただ、その時は高校生の身分ゆえ学校で十分な睡眠時間が確保できたので健康そのものでした(笑)。
とにかくその頃は「塗ってあるミニチュアしかゲームで使えない」は正式なもので、公式本の中では当たり前のルールだったので、遊ぶためにクソ頑張って塗っていたわけです。
それにしてもこんなテキトウに塗って勿体無い・・・と今でこそ思ってしまうわけですが、
僕がミニチュアを丹念に塗りたいと思い至るまでには、まだまだ若かったというところでしょうか(笑)。

配色に関しては見ての通り(笑)、なんかもう無茶苦茶です。
見本の配色が鎧は赤、髭は黒だったので、赤鎧ではなく緑鎧にしよう・・・とそこまでは普通な感じでしたが、
何を思ったか髭の色は青がメインに赤やピンク、金色、果ては虹色まで、まさにやりたい放題(笑)。
他の人がやらないような色にしようという目論みあっての奇抜な配色でしたが、我ながら当時のハイセンスぶりに感心してしまいます(笑)。
今だったら絶対やらない配色です・・・・。

そんなこんなで、ケイオスドワーフの話で盛り上がった数ヶ月後、再び東広島のR4Rにお邪魔した際は
僕はケイオスドワーフのアーミーを持参しており、有機溶剤さんと卵帝さんからは「ありえねぇぇ〜〜!」と大変驚いていただいたのでした(笑)。

あの頃の僕は、R4Rに行くたびに違うアーミーを持ってくるヤバい人ってイメージだったようです(笑)。
ちなみに次に行った時はビーストマンアーミー(もちろんフルペイント)でしたからね・・(笑)。


ゲームの思い出

このケイオスドワーフを作って遊んでいたころはまだまだ駆け出しの初心者だったもので、ゲームは1000Pくらいが標準サイズでした。
それでも本当に楽しかったですね〜。
5版では卵帝さんのケイオスウォーリアーとはよく戦った記憶があります。記念すべきRoRの初バトルレポートもケイオスドワーフVSケイオスウォーリアーでしたね。
高校を卒業して福岡に出てからはビーストマンを作りつつ、しばらくケイオスドワーフを使ってゲームを楽しんでいました。

僕がまだまだヤングブラッド(死語)だったその当時、すでに関東で名声を誇っていたV1ALさんのお宅(V1城)にお邪魔し、
V1ALさんのケイオスドワーフ、関西からお越しの東本さんのケイオスドワーフ、辺境の中国地方から僕のケイオスドワーフを並べて撮影したりしたのも思い出深いものです。
思い返せば、あの当時は日本全国の趣味人と何かしら繋がりがあって、実際リアルでも積極的に交流したりと、パワフルに遊んでいたなぁと思います。

ほんと、楽しかったなぁ・・・まぁ、今もですけど(笑)。

6版になってからはゲームで使ったことはあんまり無いんですよね。
というのも僕は福岡に越してから40Kにゾッコンだったこともあり、FB自体をあんまり遊んでなかったんですね〜。
それにもうひとつケイオスドワーフを遊ばなくなった決定的な理由がありました・・・・・・


このユニットこそハシュート神の寵愛を受けし半牛のブルケンタウロス。ケイドワはおろかWH世界で1、2を争う格好良さです!(うそ)
当時はちゃちゃか〜とテキトウに塗ったものの、1年後くらいに若干リペイントしたような記憶があります。
攻撃力は申し分無かったのでまさに主力級の扱いでしたが、新アーミーリストに残っているのかどうか・・・そこが問題です。
ケイドワの奴隷種族ホブゴブリン。他のグリーンスキンからも裏切り者として忌み嫌われています。
何でもケイドワの支配から逃れる為にグリーンスキンが独立戦争を起こした際に、
グリーンスキンでありながら仲間を裏切りケイドワ側についた唯一のグリーンスキンだったとか・・・。

禁断のアーミー売却

趣味人にとって禁忌の技として固く禁じられている究極必殺拳「アーミー売却」。
ま、今時、「禁忌」というほどでもないのかもしれませんけど(笑)。
僕は2002年にハイエルフを作りたくなり、その当時ハイエルフのコレクションを進めていた卵帝さんと交渉し、
ペイント済のケイオスドワーフアーミーと卵帝さんのハイエルフコレクション(未塗装)を交換するという今にして思えば全くどうかと思う(笑)契約を結んだのでした。

その時は正直「ケイドワももう飽きたし、それよりハイエルフですよ!」とか思っていたわけですが、
後々に後悔の念が募り続けたことは言うまでもありません。やはり命(と睡眠時間)を削って作りあげたアーミーを手放すのは余程の事ですね。
結局、その当時ハイエルフを作ることは無く(笑)、それから随分経って今では手元にウルサーン防衛軍があるわけですから、
この時に卵帝さんから頂いたハイエルフがやっと有効活用されたので結果はオーライといいつつ、ケイドワへの想いは年々重くなっていったのでした。


冥府の契約〜アーミー返却〜

その後、時は流れ2007年9月、広島ミニチュアゲームの会で定例会後の食事会の際に

Rman「いや〜ケイドワ譲ったことはマジで、あれだけは後悔してますよ。ビーストマンもだけど」 (かなりしつこい)
卵帝さん「ビーストマンはほんとに助かってますよ。ケイドワは全然使ってないけど」
R「ケイドワもったいないよね〜。僕はすごく使いたいけど!!」
卵「なら、返そうか?」
R「え?マジっすか?返してくれるならエンパイア1000P分でも何でも塗ったるよ!?」
卵「ホぉ〜じゃぁその辺、話を詰めようか...」
R(1000Pは言い過ぎたか....笑)

ここで冥府の契約とでも呼ぶべき新たな契約が結ばれたのでした。

契約内容自体は紆余曲折あって、結果的にこのような内容になりました。
エンパイア・アーチャーのペイント
クルートックス&クルートハウンドのペイント。
ダニエルさんから売ってもらったトロールキングダム・アーミー横流し(笑)、以上。

現在のケイオスドワーフアーミーの稀少度からすると未塗装の増援戦力の価値を考えると僕は決して不合理な契約だとは思っていません(笑)。
元々は僕が作り始めたモノとはいえ、快く返却に応じてくれた卵帝さんには本当に感謝いたしております。

まぁ、結論として僕が自らを戒めなければならないのはやはり
「アーミーは手放すな」コレに尽きるかもしれません(笑)。
アーミーはもちろん、今までかなりの数のミニチュアを塗っては売ってを繰り返してきましたので、今になってそのどれもが惜しかったなぁと思えてくるんですよねぇ・・・。


それはまぁともかくとして、アーミーの返却を受けてからは自分で更に絶版品を扱うショップなどで増援戦力を若干のプレミア価格で購入したり(笑)、
福岡はさがりの会のてらださんや関東のV1ALさんから貴重なコレクションを譲っていただいたりで、結果的には今塗ってある戦力の約2倍の増援を確保することができています。
これでケイドワアーミーはあと10年は戦えます!(笑)。


なんということはない只の射撃部隊。しかしオールメタルのホブゴブリンは今では超稀少な存在になってしまいました・・・。
ホブゴブリンってのは愛嬌もクソも無い辛辣な表情をしているため塗るのが楽しくなかったですね・・・(笑)。
アースシェイカーキャノンとデスロケット。アースシェイカーはその名の通り、着弾地点に地震を起こし、敵軍の動きを送らせるという強力な砲弾を放ちます。
デスロケットはミスファイアに怖い特殊ルールがあるストーンスロワーです。
グレートキャノン並の破壊力で新ルール化してくれたら最高なんですけどね〜
ケイドワアーミーの実は影の主力ブラックオーク。しかし12体では今や使い道がありません・・・(笑)。昔はこれでもけっこう活躍できたんですけどね〜。
ちなみに、この旧ブラックオークはあと50体くらいは持っているので、新ルール内でも生きていることを期待したいところです・・・。
まぁ最悪、オーク&ゴブリンアーミーを作るときに流用しましょうかね・・・・。

時代はケイオスドワーフ


海外のウォーハンマーファンが独自にリリースしている「INDY GT ARMIES」というのをご存知でしょうか?
その中には何とImperial Nipponというアーミーがあったりと熱いアーミーブックがダウンロード形式で配信されているのですが、
2009年に「DWARF OF CHAOS」というアーミーブックがついに発表されたのでした。



海外のケイドワファンの英知と恨み(笑)を集結させて完成させられた究極のケイドワ・ファンブックとも言うべきアーミーブックには完全オリジナルのアーミーリストが収録され、
ケイドワのミニチュアを使った新たなアーミーの誕生に一部のコアな人々は狂喜乱舞したのでした。

しかしながら非公式アーミーブックが闊歩できるほど日本のゲーム環境は熟成されておらず(笑)、
またその存在が広く知られることもなく(ま、ケイオスドワーフ自体が・・)、僕も一度お試しで遊んだだけで、ケイドワ増強への大きな流れにはなり得ませんでした。


かのような不遇の時代が長く未来永劫続くかと思われたケイオスドワーフアーミー。もはや残された道は自然消滅のみ・・・かと思いきや、
2011年、GWはケイオスドワーフを再び表舞台へと導いたのです。
それがフォージワールドからリリースされている「WARHAMMER FORGE」のラインナップ。
その中に何とケイオスドワーフアーミーが含まれているというのです!(この文章を書いてる今現在はまだ完全リストは発表されていません)
さらに巨大かつ強力そうなウォーマシンの数々も発表&リリースされ始め非常に魅力的に映ります。

ついにケイオスドワーフが表舞台で活躍できる時代がやってこようとしているのです!
ケイオスドワーフLOVERを自認する僕としては長らく冷遇されてきたトゥームキングの新発売など比ではないほど喜ばしいことなんです!(笑)

僕の中での今後のプランとしては、
新アーミーリストの中でもこの4版メタル群に置き換えて使えるものは在庫の増援分も含めて利用し、
新アーミーリストで完全に新規のユニットやウォーマシンはフォージ製品を投入しようと考えています。
つまり、この長帽子と縦ロール髭のコミカルなケイドワを主力に、凶悪なフォージの兵器(美味しい所)をつまみ食いしようっていう感じで(笑)。
コミカルとシリアスが入り混じったまさに混沌としたアーミーになるのではないかと今からワクワクしています。

ただ、次から増強を開始する時は配色はもっと渋めにする可能性はあります・・・・。髭の色とか・・・。ちょっっと、虹色の髭とかあり得ないですからねぇ〜〜〜〜〜〜(笑)。
でも、この派手なやつらも愛用していきたいですけどね!

いやぁほんと、良い時代がやってきましたよ!

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