人生を変えた一冊「趣味人への道」 by Rman(H29.3.16)


「一冊の本との出会いが人生を変える」、本屋さんの売り文句的なそんな台詞を聞いたことありますよね。
普段そんな台詞聞いても、そんな大げさなって思うんですけど、僕の半生を振り返ってみると、そんな本との出会いがあったんです。
僕にとって、人生を変えた一冊。
それこそが、ウォーハンマー日本語版の最初の出版本である「ウォーハンマー入門/趣味人への道」です。
そして、ウォーハンマーファンタジーバトル最初の日本語版のスタートセットに封入されていた「バトルブック」この一冊もまさに趣味人的バイブルです。
ま、いきなり2冊紹介してますけど・・・。
古くからのウォーハンマーファンにとってはお馴染みかもしれません。「趣味人への道」所有率もかなりのものだと思います。
この本と出会ってウォーハンマーを始めたって話も沢山聞いたことがあります。
僕の場合は偶然にこの本と出合ったのではなく、ウォーハンマーを知ってからこの本を手にしたわけですが、
僕が趣味人として生きていくことを決定付けた1冊であったことは間違いありません。

もうタイトルからして熱いですよね。「趣味人への道」。実に日本的なタイトルです。
この本の影響もあって、ウォーハンマーをやってる人達は自らを趣味人と名乗るようになったのだと思います。

まぁ、この本が出版されてから20年が経とうとしている今、「自分で自分のことを趣味人と呼称するのはすごくダサいのでそろそろやめようよ
と思ってる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが(笑)、しかし、僕にとってはダサいとかカッコイイじゃないんです、
この趣味人というワードはもう永遠のスタンダードなのです。この本が僕の心のバイブルであるが故に。

自分で自分を趣味人と名乗ってることが気取っているようで、周りからの印象も決して良くは無い」というもっともらしいお話も聞いたことはあります。
そうですね、仰る通りで一理あるかもしれませんが、しかし冷静に考えてみてください。
大量のミニチュア買って作って色塗って、これまた大量に盤面に並べてサイコロ振って遊んでる姿は、
趣味らしい趣味を持たない大多数の一般人からすれば、
自分のことを何て名乗っているか以前にちょっと頭オカシイ人認定されていますので安心してください(笑)。

さて、この趣味人への道、ウォーハンマーにとって大切な要素が全て詰め込まれたまさに至高の一冊でありました。
ここからは僕の思い入れと共にこの本を紹介してみたいと思います。
のっけからこの巨大なオーク&ゴブリンのアーミーを見せつけられ、初めてこの本を手に取った多くの趣味人が憧れの気持ちを強くもったことでしょう。
今の基準で見るとそんなに大きくもない気がしなくもないですが(笑)、当時の感覚だとまさに「ベイビー、俺のはデカいだろう?」でした。
アーミーを作っていくことの壮大さ、格好良さ、そして面白さ、このゴードンのO&Gアーミーが僕に教えてくれました。
情緒豊かに、そして完結明朗なバトルレポートも収録されていました。このバトルレポートを何度読み返したことか。
ウォーハンマーのドラマチックなバトルが短い文章の中でもヒシヒシと伝わってきて、本当に惹きこまれました。

僕が初めて書いたバトルレポート「ケイオスウォーリアーVSケイオスドワーフ」もこのバトルレポートあったればこそでした。
もちろん内容的には全く比べられるものではありませんが・・・。
僕も今ではバトレポ職人として(笑)、数々のレポートを発表してきましたが、やはり原点はここにありました。
ビジュアル+読ませる文章、ウォーハンマーのバトルレポートの基礎がこの最初の一冊で完成していることは今考えても凄いことだと思います。
アーミーの集め方、当たり前のようで悩み多き最初の戸惑いポイントからもちゃんと解説してあって、まさに道標として完全な内容でした。
とりあえず「帰りの電車賃も含めて全財産」をミニチュアにつぎ込むことを推奨されるような強引な表現が実に面白かったわけですが(笑)。
でも、こういう趣味を持とうという時に損得を考えているとあまり楽しめないんじゃないのかな、と僕は思います。
後先考えたって仕方無い、前のめりに楽しんでいこうぜ!という熱いメッセージが込められていたようにも思いますね。
簡易的ながらもウォーハンマーファンタジーバトルのルールも収録されており、この1冊だけも遊べるようになっていました。
もちろん、完全なルールではありませんが、入門書としては十分過ぎるボリュームでした。
ウォーハンマーの楽しさ、ユニークな表現、ルールの解説にすら魅力を感じさせる読ませる文章、
そう、この本は全編にわたって訳者である籾山庸爾さんの魂が込められていたように思います。

ウォーハンマーは版を重ねどんどんとルールは奥深く複雑になっていきましたが(今はエイジオブシグマーになりガラッと変わりましたが)、
ここに記されている入門ルールはシンプル故にファンタジーバトルの面白さの根幹がよく見えてきます。
もし何年後かに僕が自分の子供とファンタジーバトルを遊ぶことになったら、このシンプルルールで遊んでみたい気がします。
スタートアーミーについても紹介されており、アーミーの背景についての限られた情報、美しい小規模アーミーの事例に、
想像力をどれほど掻き立てられたことでしょう。そして有名なスペシャルキャラクターが各アーミーの紹介に添えられており、
壮大な世界がこの先に広がっている、そんな風に感じさせてくれたものです。
ちなみにこの写真の右上のティリオンを僕のハイエルフに迎えることが出来た時は「ついに趣味人への道で見た憧れのティリオンを・・・」と感無量でした。
趣味人への道で個人的に一番熱いページがこの「クラブチームを作ろう」のページだと思います(笑)。
このコラム、本当に熱くてウォーハンマーって何てカッコイイホビーなんだ!!!と当時高校生だった僕は全身で真に受けてしまってました。

「老人ホームで、ウォーハンマーをきっかけに再婚してしまう老年カップルが出てきたとしても、おかしくない。」
とか書いてあるんです。今思えば「いや、おかしいでしょ、それは・・・」って思うんですけどね、
もう、ウォーハンマーってそこまで凄いんだ!?ウォーハンマーやってれば、いつか良い出会いが・・・と当時高校生の僕は以下略(笑)。

こういう大げさなくらい熱い文章こそ、この「趣味人への道」が僕のように熱狂的なウォーハンマーファンにとってバイブルたる所以なのかもしれませんね(笑)。
趣味人達から愛情を込めてモミー節と呼ばれる独特の兄貴っぽい口調、
この記念すべき日本語版1冊目から全開でした。


この本の著者であるリック・プレストゥリーのあとがきがまた永遠の金言でした。
「ホビーは時間がかかって当たり前だ。
君自身がどれだけの時間をかけるかでホビーの価値が決まる。」

この言葉の意味が今になってよく分かる気がしますね。
さて、こちらはウォーハンマースタートセットのバトルブックのイントロページです。
アンデッドVSケイオスの衝突、
悪役好きな僕にとっては、この1枚の写真だけでビリビリと電撃で撃たれるほどに痺れちゃって、
一発でウォーハンマー世界に魅せられてしまったものです。

そしてこのバトルブックの文章がまた最高にウィットに富んでいてなおかつ数々の秀逸で上質なコラムが含まれ、
6版以降の英語版に忠実な翻訳とは違った独特のエネルギーに満ちていました。

籾山さんの翻訳の力によるところが大きいとは思うのですが、
このバトルブックは本当に面白過ぎて、本がバラバラになってしまうくらいに何度も何度も読み返したものです。
そして後半では拡張された数々のアーミーが紹介されており、このビジュアルの濃さ、重厚感に目眩を覚えたものです。
僕もこんなアーミーを作りたい・・・!!そう心に強く感じたことを今も鮮明に覚えています。
このバトルブックで見た世界が好き過ぎて、僕の中でこの時代のミニチュア(FB4版から5版)が一番のストライクゾーンになっちゃいました。
たぶん、分かってくれる人は多いんじゃないかと思うんですけど・・・。

最近のエイジオブシグマーのぶっ飛んだミニチュア達ももちろん最高にカッコイイので全面的に素晴らしいと思うんですけど、
やっぱりこのオールドワールドで戦ってたメタル製のミニチュアの魅力は永遠だな〜って思います。

この頃のミニチュアは沢山集めているので、まさにライフワークとして作ってやりたいな〜と思います。
ゲームで使うとか使わないは別として。
日本におけるウォーハンマーの記念すべき第一号である「趣味人への道」。今読み返しても最高にエキサイティングな一冊でした。
情報自体は古くなっていても、ウォーハンマーの魅力の根幹がビシバシ伝わってくる感じ、情報に溢れる現代でも稀有なものだと思います。

僕がRoRでやりたかったことはこの1冊が原点なんだなって改めて気付かされました。

僕がこの1冊にもし出会わなかったら・・・・、
いやウォーハンマーが英語版しか存在していなかったら、
あの時ウォーハンマーの世界観とビジュアルにドハマりした僕は存在していなかったかもしれません。

もしそうだったら、僕の人生はどれだけ退屈で味気ないものになっていたでしょうかね。
いや、案外別の世界でバラ色の人生を送っていたかもしれませんけど・・・、とタラレバ物語は置いておいて(笑)、
やはりこの1冊との出会いが僕の趣味人人生を決定づけたといっても過言ではありません。

ウォーハンマーを初めてから僕は本当に沢山の仲間に恵まれ、また沢山のミニチュアコレクションを楽しんできました。
振り返ってみると色々ありましたが、どれも今では良い思い出であり、楽し過ぎる趣味人ライフでした。

そういう意味でもウォーハンマーを日本にもたらした伝説の男籾山庸爾さんに感謝の気持ちが尽きることはありません。
ゲームズワークショップを去った籾山さんの次なる挑戦「HERMIT INN」
趣味人への道の大ファンとして心より応援したいと思います!!

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