プラモ狂四郎の心 by Rman(H25.3.3)


皆さんはプラモ狂四郎って漫画をご存知ですか?



たぶん20年くらい昔の漫画ですよね。知ってる人はもちろん沢山いらっしゃると思いますし、ご存知無い方も多いかもしれません。

僕が子供の頃に好きだった漫画を挙げるなら、ダッシュ四駆郎超戦士ガンダム野郎の2つです。
どっちも少年漫画で、自分でマシンなり模型を作ってそれを戦わせる中でドラマが紡がれていくという、少年漫画の王道みたいな作品です。

少年時代にこの「作って遊ぶ」という漫画の流れが僕の中で強く刻まれていたこともあって、今もウォーハンマーを楽しんでいるんだろうなぁ〜と思います。
いわば原風景がここにあるといいますか。

それで、僕が昔ハマってた超戦士(ハイパー戦士と読みます)ガンダム野郎は基本的にSDガンダムを題材にした漫画でしたが、
その前身となるのが最初に挙げましたプラモ狂四郎という漫画です。僕は連載時にリアルタイムで読んでいたわけではなく、単行本を買って読んだ口です。

しかし、ハマりました。面白かったですね〜。
ウォーハンマーを始める前にも読んだことがありましたが、
改めて読み返すともう何か凄くウォーハンマーに通じる精神のようなものが漫画のあちこちから発せられているような、そんな錯覚に陥りました。

どんな漫画かというと、小学生の主人公がガンダムなどの模型を作って、
それを近所の見た目普通の模型屋さんの二階にある凄まじく高度な戦闘シミュレーターを使って、
作った模型をバーチャル空間の中で戦わせるという所から始まり、世界をまたにかけての大きな戦いに広がっていくというものです。

そして狂四郎の前に次々と現れる個性溢れるキャラクター達、彼らが持ってくる模型がまた凄いのばっかりで、色々と熱いのです。
改造ははっきり言って何でもアリ状態で、飾る模型というよりは文字通り戦うための工作が随所に施されていたり、ひとつの形に囚われない模型の例が沢山出てきます。

もちろん、架空の世界の話なので、現実的ではない面は多々ありますし、あまり真に受けてもしょうがないのでしょうけども、
登場人物みんながそれぞれに工夫して、自慢の模型を戦わせている展開は、何だかウォーハンマーそのものじゃないかと思えました。

ま、ウォーハンマーと違うところは、登場人物がマンガの場合、人間性を疑われるような卑劣な行動をよくすることなんですけど、
そこは少年漫画のノリでしょうか(笑)。

プラモ狂四郎の中で扱われる模型は主にガンダムで、ガンダムにももちろん、宇宙世紀に基づく公式設定というものがあります。
でも、プラモ狂四郎の中ではそういった設定はまったく関係なく本当に自由な発想で模型作りに取り組む姿勢が非常に印象的で、
見る人によっては時に怒りを、時に感動を、呼び起したことでしょう。

これってウォーハンマーにも言えることですよね。
ファンタジーバトルはオールドワールド、40kはダークミレニアムという公式の舞台があり、
例えば僕がよく作ってるスペースマリーンひとつとっても様々な公式設定がコーデックスにぎっしりと詰まっています。

しかし、オールドワールドは霧深く、また銀河は果てしなく広いのです。
趣味人一人一人が自由なイマジネーションを自らのアーミーに込めることが出来る、
その懐の深さに僕達ウォーハンマラーもきっと惹かれるものを感じていると思います。


アーミーを作る人には色んな原体験があり、理想があり、趣向があります。

綺麗に塗らなくちゃミニチュアがもったいない、いや早く塗って遊んでなんぼでしょ
設定に忠実に作る方がカッコイイ設定どおりのカラーリングこそ正義
いや、オリジナル設定で作るほうが楽しいしカッコイイじゃん、いろんな意見があると思います。

どれも正しいでしょう、本人の中限定で。

僕自身もパテを盛りまくって横モヒカン装備させたエンペラーズチルドレンから分派したエンジェル・オブ・プレジャーを作った時もあれば、
設定に比較的忠実なインペリアルフィストを作ったりもしています。

模型作りに正解はない、とにかく楽しく明るく作ろうぜ!
そんなことをプラモ狂四郎は熱いドラマの中で読む者に語りかけているように感じました。

まさにウォーハンマーもそうじゃないでしょうか。

たまに、こんなの〇〇じゃないとか、こんな〇〇はいねーよ!と言って他人様が作ったアーミーやミニチュア、
そしてオリジナル設定を否定しちゃう人がいると聞きます。

プラモ狂四郎的にもそういうキャラはたくさん登場してきます(笑)。
そして狂四郎のプラモ・スピリットの前に破れ、心入れ替えて彼の仲間になっていきました。

それはまぁ少年漫画なので、そういうもんなのでしょうけども、現実では少なくとも、他人を否定するのではなく、
お互いがお互いの楽しみかたを認め合ってこそ、このミニチュアゲームというホビーは一歩先に進めるというか、
対面して遊ぶゲームだからこそ分かりあえた方がゲームそのものもより面白くなっていくんじゃないかなって、そう思うのです。

どこにどんな楽しみ方が広がっているのか簡単に分かることは出来ないだろうし、
それだけ奥深いのがウォーハンマーだとしたら、
それを楽しんでる僕ら趣味人は広い視野と心を持てるはずだし認め合っていけると僕は信じています。



僕はこのRoRを始めた時からずっと、基本的に作品へのコメントは褒めることを信条としてやってきました。
それは当初、僕は人の作品にケチ付けるほど自分がペイント上手いとも思ってなかったからというのが始まりだったからです。
ま、内心かなりイケてるだろうとは始めた当初から常々思ってたんですけどね(笑)

そして、続けていくうちに分かってきたことがあります。

みんな一生懸命作っているし、自慢の作品を心から気に入ってるし、
それぞれの持てる技量の中で色んな工夫やこだわりをもって作ってらっしゃるんです。


僕はいつしか自然と作品の向こう側に、
作り手の、ミニチュア作りに取り組むひたむきな心が見えるような気になりました。
ひょっとしたら気のせいなのかもしれません・・・。

でも、そんな作り手の気持ちが見えてくることで、事実、その作品の良い所が自然と見えてくるようになりました。

そういう意味では、RoRを続けてきて良かったと思います。


プラモ狂四郎という漫画は模型を作って、それを戦わせます。
そこには沢山のドラマがあり、仲間が出来て、育まれたプラモ・スピリットは世界を動かしていきます。

僕らのウォーハンマーも漫画ほどドラマチックじゃないにしても、みんなで熱く楽しくやっていきたいな〜と、
今回久しぶりにこの漫画本を引っ張り出してきて思い直したところです。

ちなみに僕が一番好きなモビルスーツはレッドウォーリアー(パーフェクトガンダム3号機)で、好きな登場人物は山根アキラ君です(笑)。

もし未読の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度手にとってみてください。
ウォーハンマーに置き換えるとニヤニヤできる展開がいっぱいあるという意味でもオススメです(笑)。