ペイント指南書「シタデルミニチュア・ペイント大全」と「ヘビーメタル・マスタークラス」のススメ
 by Rman(H23.12.13)


趣味人の皆さん、いつもペイントを楽しんでますか?
僕は一日の終わりに1時間くらいペイントする時間を確保できる生活を送っており、
この1時間が本当に至福の時間です。ペイントするために筆を持って、目の前のミニチュアに1段階ずつグラデーションをかけていく、
そんな瞬間は日々の喧騒を忘れ、何だかとても心休まる気がするものです。

日々、コツコツとペイントを続けていくことでアーミーは少しずつでも形になっていくものですし、それが目に見えて実感できるというのが、
アーミー作りにおけるペイントの楽しくてやり甲斐を感じられるところと言えるでしょうか。

ところで、アーミー作りにおけるペイントっていうのは、どういうやり方が正解ってのは無いと思います。
とにかく美しく綺麗に作りたいと思う人もいれば、スピードを重視する人、ゲーム最優先でペイントはベースカラーのみ、という人もいるでしょう。
そのどれもが本人にとっては正解なのでしょうし、完成したアーミーはどれも優劣が付けられるものではありません。

ただ、筆を持つ趣味人であれば誰でも「ペイント上手くなりたいなぁ・・」と思ったことが少なからずあるのではないかと思います。
まぁ、もちろん上手くなるには練習を重ねるしか無いわけですが、
中には「あんな綺麗にどうやって塗ったらいいかわからん」と思っている人も多いんじゃないかと思います。
かくいう僕もペイントを始めた時に、ネットで先輩諸氏の作品を拝見した時に、同じように感じたものです。
僕は最初の頃はラルパーサのミニチュアを塗ってましたので、それらを塗りながら、
何で、こんなに小さい物にあんな滑らかな色合いが出るのだろう!?と悩んだりもしました。

そこでFM企画というホームページに掲載されていたペイントガイドを読んでみて、その内容がまさに目から鱗でした。
グラデーションをなめらかにするには5段階、6段階と少しずつ混色しながらハイライトを入れていくこと、みたいなことが書いてあったんですね。
今思えば当たり前のことなんですが、それが言われるまで全く分からなかったのです!

そのペイントガイドをプリントアウトし、熟読した後からいきなりペイントレベルが1から5くらいに上がったような(笑)、
そんな感じになったのをよく覚えています。
あの時、あのペイントガイドを見てなければ、ペイントの面白さにも気付けず、ウォーハンマーに辿り着くこともなかったかもしれません。


さてさて、ここからが本題ですが、
現在ゲームズワークショップのホームページから「シタデルミニチュア ペイント大全」が無料でダウンロードできるのを皆さんご存知かと思います。
はっきり言って、これは非常に素晴らしい内容で、「大全」というタイトルは伊達ではなく
ペイントに関するあらゆるテクニックを網羅しているといっても過言ではありません。
単純に読み物としてもウィットに富んだ翻訳が効いてて、非常に面白い内容に仕上がっています。
まさかとは思いますが、RoRをご覧頂いている趣味人の方でまだダウンロードされていない方がいらっしゃったら、
ぜひゲットされてください。お金を出して買う価値のある1冊が無料でダウンロードできるのですから、これほどありがたいこともありません。

僕はプリントアウトして何度も読み返してきましたし、
実は友人に1冊ファイリングしたものをプレゼントした後にもう一度自分用にプリントアウトしなおしたくらいです(笑)。



これを一度通読されますと、下地色の選択に始まり、混色、シェイド、ハイライトなどなどペイントに関して一通りのことが分かるはずです。
この大全を読む事でミニチュアペイントならではの様々なテクニックがあることを学ぶことができ、その中には綺麗に仕上げるためのテクもあれば、
素早く仕上げるためのテクもあるので、自分に必要なテクニックを選択し自分のミニチュアを塗ってみる、というような流れが出てくると思います。

我流で挑戦するのも決して悪いとは言いませんが、ペイント大全を読むことで、もっと簡単に自分が表現したいと思っていたミニチュアが身近になるはずです。
もちろん、読んだからって劇的に上手くなるなんてことはありません。
でも僕がそうだったようにレベルが低ければ低いほど一気にレベルアップする可能性だってあります。
そこから更に上手くなるためには、やっぱり練習あるのみでしょうけどね。

まぁ、少なくともこのペイント大全を読めばウォーハンマーのペイントに関して「どうやって塗ったらいいかわからない!」というような
漠然とした質問をしなくて済むようになるのは間違いありません(笑)。


それからもう1冊紹介したい本があります。それが先日発売されたばかりで、かつ期間限定販売のヘビーメタル・マスタークラス。
英語版のみの販売ですが、これがもうペイント好きにはたまらないくらい充実の内容でした。
基本的にホワイトドワーフ誌に連載されているペイント記事を再録しまとめたものですので、僕はホワイドワーフを定期購読しており、
全部見たことある記事でしたが・・・、それでも1冊にまとまっていると非常に便利だろうと思って購入しました。



ペイント大全では技法にスポットを当てそれをいかにミニチュアに活用するかを解説してありましたが、
このマスタークラスでは、特定のミニチュアにスポットをあて、それをいかに最高クラスの作品に仕上げていくかを詳細に解説してあり、
これはこれでかなり実践的な内容になっています。

さすが世界最高のペイント集団ヘビーメタルの作例ってだけあって、
完成品を(写真で)見ただけではもうどうやって塗ったか全くわからないような超絶な作品も、写真付きで段階を追って解説してあると、
そこにあるのはひたすらに丁寧な仕事の積み重ねであることがわかり、本当に人生観ならぬペイント観が変わってしまうくらいの感動があります。
この解説の通りにやれば、自分も同じような作品が作れるんじゃないか?と錯覚してしまうくらいです。

でも、(おそらく)それこそがこの本の狙いであり、凄いクオリティーの作品をとても身近に感じられるようになる、
言い換えるなら、オレも頑張って塗ってみるかな、と思えるようになれる素晴らしい一冊です。
ちなみに、英語版オンリーですが、基本的にアルファベットが理解できる人であれば、問題なく内容を理解できる程度の英文ばかりですからご安心ください。

このような後世に残すべき貴重な一冊が期間限定品とは実に惜しいことです。こういう本こそ長く売り続けて欲しいんですけどね〜。
筆を持つ趣味人であれば、今買えるうちに押さえておくべき一冊なのは間違い無いです。
全趣味人必携の一冊と言っても過言ではありません!!



ペイント大全とマスタークラス、この2冊がある今の世の中、趣味人のペイントスキルの上昇スピードは、
僕がウォーハンマーを始めた頃とは比べ物にならないくらいに上がっていくことでしょう。
ほんと、今からウォーハンマー始めたいという人はミニチュア高くて大変だろうとは思いますが(笑)、
格好良いミニチュアもあれば、優れたペイント教本もあり、材料は揃っているとも言えるので、きっと楽しい趣味人ライフが送れるだろうな〜と思います。

そしてミニチュアペイントにおける様々な技法を知った上でアーミー製作にいかに活用していくか、その選択はやはり趣味人の皆さん次第でしょう。
僕は値段の高いシタデルミニチュアを自分なりに楽しみ尽くすためにペイントには常に力を入れてきました。
そして一生懸命作ったアーミーがドーンっと盤上に並んだ時はやはり何とも言えない満足感に浸れるものです。

皆さんもペイントを楽しんで、カッコイイアーミーを作ってくださいね♪