上手な(?)ミニチュア撮影方法 by Rman(H23.7.10)


現在はパソコンとデジタルカメラが一般的になり、また携帯電話のデジカメもかなり高機能になってきたことから、写真撮影というものが随分身近になりました。
趣味人の皆さんも完成させた作品の撮影からゲーム中のスナップ写真まで、日常的に色々と撮影されていることと思います。

カメラが一般的になり、カメラ自体の性能もどんどんよくなってきていることから、カメラの専門知識がそれほどなくても、撮影は出来てしまうものです。
まぁ、もちろん、カメラが趣味でマニュアル撮影なんかも駆使される方の写真を実際に見ると、素人さんの撮影したものとは歴然たる差があるものです・・・
しかしまぁ、カメラの知識がなくてもセンス次第ではなかなか格好良い写真も撮れたりもしますよね。あ、別に自画自賛してるわけじゃないですよ(笑)。

僕は実際のところ、カメラの専門知識はほとんど全く無いところからスタートし、特別な勉強はすることもなくカメラまかせのオート撮影で現在まで乗り切ってきました(笑)。

さてさて、ここから本題にはいります。
ありがたいことにRoRにも趣味人の方々からご投稿という形でたくさんの写真をいただいてます。
なにげに先日ギャラリーの写真掲載数がなんと1000ページを超えて、これからもまだまだ増えていきそうな嬉しい予感もしています。

そこで、改めて写真について思うことを書いてみようと思います。

ミニチュアの写真というのは作品自体を直接みることが出来ない(ほとんどの)人にとって、それ自体が作品だと思います。
写真次第で、素晴らしい作品がイマイチ掴みどころの無いものに見えてしまったりすることだって実際あります。

もっというならば、ミニチュアの写真を撮影し、それをWeb上に公開するということは作品作りの延長線上の行為でもあると僕は思っています。
写真を公開するのであれば、自分の作品をより良く見えるようにするために写真撮影に努力したり工夫を凝らすのは、
ミニチュアのペイントを頑張るのと同じくらい大事なことじゃないかと僕は思うんですね。
写真を厚化粧して誤魔化せと言っているわけではありません。
どんなに素晴らしい写真を撮っても、ミニチュアの場合、実際の作品が非常に小さいこともあり、「実物はずっと良いですね!」となることが常だからです(僕の経験上ですが)。
写真をいくら上手く撮ろうとも(ミニチュアのもつ)出来以上のものは生まれないと僕は思います。
ならば、その実物の良さをより伝える為には撮影に気合いを入れるのは決してオカシイ話でもやり過ぎな話でもありません。

あくまで写真を公開するという前提ですけどね。

まぁしかしながら現実には、作品は一生懸命作っても、撮影まで力及ばないという方も沢山いらっしゃるように思います(笑)。
実に惜しい!と思います。この人は写真でちょっと損してるなぁって思う作品が実はRoRの中にも300枚くらいはあると思います(笑)。数えたわけじゃありませんけど。

なので、簡単ではありますが、僕が我流でやってきて、まぁそこそこの良い写真が撮れる方法を解説していきます。
もし万が一写真撮影のプロい方が見られたら苦笑されること必至かもしれませんが、そのときは許してくださいね。

とりあえずこれが僕の撮影スタジオ(笑)っていうほどのもんではないですが・・・。
地面と背景画は撮影対象によって色々変えています。地面は厚紙にボンドを塗ってフロックをまいたモノです。
この地面は10年以上前に作ったものながら未だに現役です。しっかりした紙で一度作ってしまえばほぼ一生ものなので簡単だしオススメですよ〜。
背景画についてはかなり上級レベルの(笑)装備品といえるでしょうか。これもある意味一度作ってしまえば一生ものですし、
ミニチュアペイントが出来る趣味人にとっては案外描けてしまうものですよ。

この撮影スタジオの中で、基本的に最も重要な装備は地面でも背景でもなく、2個の蛍光灯です。
ミニチュアは非常に小さく、かつ入り組んだ造形をしており、ウォーハンマーにおいてはユニットを組むこともあり、自然と影が入りがちです。
自然光だけでは光がまったく足りないことが多々あります。
蛍光灯によって両側から光を当てることでミニチュアに影が落ちるのをかなり軽減することが出来ます。
まぁ、光が当たり過ぎて色が飛んでしまうことも無くは無いですが(笑)、光の量が多ければ作品のピントがズレることはほぼ無くなりますし、そこが最も重要と僕は考えます。
とにかくミニチュア撮影で一番重要なポイントは光量です。
カメラの性能がいくら上がったとはいえ、暗い部屋で撮影した写真はその作品の10分の1の魅力も引き出せないでしょう。

この環境で撮影した写真です。
蛍光灯無し(自然光のみ) 蛍光灯有り(自然光+蛍光灯)
自然光の当たっている方向は問題ないですが、
バナーから後ろが思いっきり影になっています。ピントはしっかり合ってます。
両側から光が当たっていることでユニットの後ろ側までよく見えるようになりました。
自然光より若干ピンボケてしまいましたが・・・。

左の写真も十分に明るい部屋で撮影しているので、けっして悪い写真とはいえないとは思います。
とりあえずRoRへの掲載においては合格点でしょう(笑)。ですが、くそ苦労して作ったユニットを載せるのに、「まぁこんなんでいいか」というのは僕的にはあり得ないので、
やはり電気スタンドは必須です。電気スタンド付きで、なおかつしっかりカメラを固定して撮影すればほぼ完ぺきな写真が撮れます。

背景付きの写真が好みではない方もいらっしゃるでしょうし、単純にそこまで準備できないという方もいらっしゃるでしょうから、
単色背景の写真撮影における注意点も考えてみたいと思います。
ちなみに、単色背景のために準備したのは100円ショップの画用紙です。
白(自然光のみ) 白(蛍光灯有り)
意外に撮れたというのが率直な感想ですが、若干ピントがあっていません。 蛍光灯有りの場合はさすがにくっきりと撮れました。
白い背景は模型の写真としては最もスタンダードながら、じつはかなり難しいと僕は考えています。
というのも光が少しでも不足すると、白い背景では作品がどうしてもボヤケてしまうからです。なぜピントが微妙に合わないのか・・・よくはわかりませんけど。
経験上、そういう感じがします。
黒(自然光のみ) 黒(蛍光灯有り)
自然光の影響が出過ぎてミニチュアが白くなってしまってます。 全体にしっかり光があたって陰影の強弱は弱まったものの、
ピントがあっていません。
黒い背景は意外に上手く撮影できませんでした。
光を反射し過ぎるのか、逆に反射していないからなのかわかりませんが・・・ミニチュア撮影において真っ黒背景は難しいということでしょう。
赤(自然光) 赤(蛍光灯有り)
これも黒と同様、光の影響を強く受けてしまいました。 蛍光灯をプラスすれば、まぁ悪くありません。
赤色の背景は黒よりは少しマシな感じでしょうか。
ただ、この撮影対象物が赤色を多く含んだ作品であることが、背景の赤色と相性が悪い気がしました。
作品によって背景に用いる色を選ぶことも大事でしょう。
なんせ背景は100円ショップの画用紙ですからね、安いんだからそれぐらいはやってもいいでしょう(笑)、
空色(自然光のみ) 空色(蛍光灯有り)
これも白い背景と同様、若干ピントがあっていません。 かなりクッキリと決まった気がします。
背景が真っ白よりは若干の色味があったほうが撮影しやすいと僕は経験上思います。
背景画付きの写真はそういう意味では撮りやすいのです。
空色くらいの淡い色であれば作品への影響(印象的な意味で)も少なめで良い感じですね。
緑(自然光のみ) 蛍光灯有り
ピントがあいません。ぼやけた印象です。 蛍光灯を使ってクッキリしたものの、全体にトーンが落ちた気がします。
緑といってもかなり淡い緑色だったのでイケるかなぁと思いつつ、意外によくなかったという印象です。
緑を背景にすると、写真全体に緑補正がかかっているような感じになりますね・・・。
緑と空色(自然光のみ) 緑と空色(蛍光灯有り)
やはりピンボケしてます。 かなりくっきり撮れて非常に良い感じです。
緑色を地面に見立て、空色をバックに持ってきた2トーンの写真も撮影してみました。
十分な光があれば写真への影響も少なく、良い感じになってると思います。


さてさて、そんなところで結論としてはやはり
「十分な光量がミニチュア写真撮影には必須」
ということがよくわかる結果になりましたね。

背景の色は光さえあればそれほど関係は無いのですが、写真全体に色補正がかかるような色(今回の場合は緑)があることもわかりました。
そういった雰囲気を狙うのでなければ、ミニチュアをクリアにみせるために、これらの背景色は出来るだけ避けた方がいいかもしれません。
あとは、濃い背景色にするとミニチュアに光が集中し過ぎてか、白くなってしまうのでなかなか難しいですね。

また、ミニチュアに多く使われている色と同じような背景色は避けるというのも大事です。
インペリアルフィストのマリーンを真っ黄色の背景で撮影してもイマイチなのは写真を撮るまでもなく分かります(笑)。

とはいえ、僕はこれからも背景付きの写真しか撮ることはありませんので、
RoRにご投稿いただける趣味人の方々が、少しでもミニチュアが持つ魅力がより伝わる写真を撮影してくださると、
RoR管理人として、また一閲覧者としても嬉しく思います。

最後にお願い

作品をRoRにご投稿いただく際に投稿者の皆さんへ、ひとつだけお願いがあります。
それは、ミニチュアを出来るだけベストな状態にしてから撮影して欲しいというものです。

ミニチュアの完成品というものは十人十色で、ご本人が一生懸命に作ったものであれば、そこに優劣は決してありません。
また、写真撮影のスキルも人それぞれですので、写真を撮影するうえで、この記事で紹介したような設備を設けることが難しい方もいらっしゃるでしょう。
どうしてもクッキリとした写真が撮れないってこともあると思います。それは使っているデジカメの性能にも影響されますし、しょうがないことではあります。

しかしながら趣味人であればだれでも出来ることがあります。

ミニチュアにホコリやゴミ、チリが積もっていれば、それを落とす。
これは趣味人云々というまでもなく、誰にでも出来ることでしょうし、写真を撮影する上で最低限やって欲しいことです。

完成していない(誰が見ても明らかに塗ってない部分がある等)ミニチュアは完成させてから撮影する。
あくまでRoRのギャラリーは完成品の公開場所であるという前提があります。

せっかくなので、自慢の作品はカッコ良く撮って残したいものですね!

よろしくお願いします。


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