by Rman



ゲームズワークショップ(以下GW)からゲームボードが発売される!

そんな衝撃的なニュースを聞いたのは2008年夏ごろだったと思います。しかし、外国のゲームズデイでスクープされた写真を見ても、僕は正直半信半疑でした。
だって、ウォーハンマーをやったことのある人はご存知の通り、120センチ×180センチですよ、ゲームボードって。めちゃめちゃデカイんです。
そんなスケールの大きな製品が一般販売されるとはとても信じられなかったんです。
ですが、GWはやってくれました!クリスマスシーズンに合わせてほんとに市販されることになったのです!
そこで気になるのがやっぱり大きさ。ここで感心させられたのが、6分割式というシステム。収納および持ち運びをコンパクト(笑)に行える画期的なシステムです。
それだけでなく、ゲーム面では組合せを変えることによって(主に丘の位置)様々な戦場をセットアップできるという逸品だったのです。


まぁ、ここで正直に告白しておきますが、これ、ほんとにいるんかいな?と思いましたよ。さすがに(笑)。
わざわざこんな高価な商品買わなくても、同じ金出すならもっと豪華なオリジナルゲームボードが作れるんじゃ?とか、ですね。
だけど、だけど!実際ゲームボードをイチから作るってのは並大抵の覚悟じゃ出来ない大仕事なんですよ!それこそ一生に1枚作るかどうかという。
そういう意味ではこのバトルボードは買った時点で、イチからボードを作る際の約半分の工程まで終わってるわけです。ここが重要なんですね。
「いつか作りたいゲームボード」が一気に現実のものとなるんです。これなら僕でも作れるんじゃないかって。
あ、僕はGWのセールスマンじゃないですよ、別に。(笑)
まぁ、ゲームボードがいるのかいらないのかって根本的な話はですね、この際、脇に置いておきましょう。

欲しいから買ったんです!(笑)



バトルボード到着!

2008年11月27日。発売日の2日前に予約注文しておいたバトルボードが到着しました。
さんざん迷ってGW−UKに予約したんですが、こんなに早く到着して一気にテンションが上がりました。
しかしデカかったですね〜こいつは。重さは12.4Kgもありました。

@これ1個だけ別送されてきました。ドラゴンは比較用。
ドラゴンもデカイんですけどね〜
ACITDELの文字が格好良いバッグにギッシリ納まっています!
くそ重たいけど、これなら運べそう?
B中までしっかりビニール包装されてました。

この商品の特徴として、6枚を重ねればコンパクトに納まるということがあるんですが、かなり丈夫な収納用ケースも付いています。
これに収納して肩にかければ12キロの重さでも何とか持ち運びできそうです。
何でプラ板が6枚で12キロもするわけ!?という疑問があるかと思うんですが、裏面の空洞部分はギッシリ格子状にプラが入っていて、非常に丈夫なつくりなんです。
それこそ、大の大人がこれの上で地団駄踏んでも壊れないほどのものなんです。それゆえの重量なんですね〜。



製作前の下準備

11月28日。金曜日夜。
明日の製作に備え、ツールを準備しました。
今回はゲームボードと同時発売だった「シタデル情景ボード専用ペイントパック」なる代物も同時に購入しました。
@製作用のツールもきっちりスタンバイ!
Aシタデル情景ボード用ペイントパックの中身。
ものすごい量の塗料とグラス(草)!

シタデルペイントパックの内容は
「若草グラス、濃草グラス、木工用ボンド、大量の塗料(ブラウンとカーキ)、でかい筆」
木工用ボンドは明らかに足りないな〜と思ったので、ホームセンターで業務用木工ボンドを購入。
筆もなんじゃこりゃ?っていう様な雑なものだったので、文房具屋で250円くらいの筆を数種類購入しました。
塗料は十二分な量なのですが、丘や岩場を塗るためにアクリル絵の具の黒と白を100円ショップで購入しておきました。

余談ですが、100円ショップのアクリル絵の具(アクリラ)は色数こそ少ないものの、けっこう侮れない発色です。
特に混色用としての白色は情景モデルのペイントには重宝させてもらってます。オススメです。

それはそうと、このペイントパックは正直値段ほどの価値は無いですね。理由は後ほど(笑)。

あとはアンダーコート用スプレーとしてシタデルのラフコートスプレーを準備しました。準備というか、前に買ってただけなんですけどね。
トップコート用のスプレーも準備!(これは5年くらい前に買ったもんです...大丈夫かいな)



いよいよ製作開始!まずはサフ吹きから!

11月29日。発売日です(笑)。あいにくの雨模様ですが、朝7時30分から1人製作を開始しました。
場所は我が家の駐車場。屋根つきなので、雨もかろうじて防ぐことが出来ます。
まずは下地作りから。
本来、プラスチックモデルには金型から剥がすために離型剤というものが使われており、
これが塗料を弾く、もしくは塗装が剥がれる可能性があるため、塗装に入る前に中性洗剤等で洗う必要があります。
ま、わかっちゃいるんですけどね。こんなにデカいのに、そんなめんどくさいことできるかぁ〜って感じで洗浄は省略(笑)。
シタデルのラフコートスプレーはほんとに凶悪な性能なのでたぶん大丈夫でしょう。

そして、本来湿気の多い日にスプレーを吹くこと、これ愚の骨頂!言わなくてもわかりますよね?
ノズルから噴出された塗料が対象物に届く前に湿気を含んでしまうからってことですよね。

しかし僕がやる気満々な時は、雨じゃろうと湿気じゃろうと、そんなの関係ねぇ〜!(古い?)ってことで雨天決行です。

@場所は我が家の駐車場。ここなら雨でも大丈夫!
新聞紙をひいて汚さないようにセットアップします。
Aサフ吹き前の状態。 Bサフ吹き後。写真じゃ見分けがつきませんがザラザラになってます。
Cやばい!ラフコートスプレーが切れた。
けど、そんなことじゃ諦めません。黒アンダーコートに即切り替え!
D岩肌部分は黒アンダーコートを吹いておきます。 Eラフコートスプレー後に岩肌部分を黒アンダーコート。一気にやります!

今回アンダーコートに選んだラフコートスプレーは通常のアンダーコートと違って、粗い粒子状の塗料が含まれており、より塗料が食いつきやすくなるというものです。
湿気が多かろうと少なかろうと、どうせザラザラになるんじゃけ〜、えーじゃろって感じですね(笑)。実際何とかなりました。
1枚が60センチ四方の板にムラ無く吹くだけでも大変ですが、かなり細かい凹凸や造形も施されているこのボードにアンダーコートを吹くのは
単純作業ながら思った以上に苦労しました。四方八方から吹きました。ノズルを押している指も疲れました。

しかもアンダーコートが途中で切れたんです。もう1本あるから大丈夫!と思ってましたが、ノズルが詰まって出ませんでした。このあたりはさすがのシタデルクオリティー(笑)。

ここまで作業スペースを広げてしまって諦めるわけにもいきませんので(笑)やむを得ず通常の黒アンダーコートを使用しました。
ラフコートを吹き終わった板についても、丘部分については灰色の岩場としてペイントするつもりで、黒アンダーコートを吹いておきました。



休む間無し!?ペイント開始!

サフ吹きに思った以上に時間がかかったものの、それ以上にやっかいなのはどこまで行っても湿気。外はポツリポツリと雨が落ちる中、湿度はかなり高めです。
つまり、アンダーコートが乾きません(笑)。
本来、アンダーコートは自然乾燥させ、完全にプラスチックとなじむまで数日間を要す、ということなんですが、
ま、わかっちゃいるんですけどね。そんなの関係ねぇ〜(笑)ってことで、ドライヤーを導入し、実力行使に出ました。
これで、無理やり表面を乾かし、休憩無しでペイントに入ります!

@大量のブラウンをパレットという名の水差しに流し込みます。 Aデカいハケで一気に塗まくります。所要時間15分! B茶色が乾くのが待ちきれず、岩場も塗っちゃいます。
C全体が乾いたのを確認したら、岩場をドライブラシ。 D細かい部分をちょこちょことっと塗ります。 Eカーキ色を筆にとり、一気にドライブラシをかまします!
Fカーキ色一発でなかなか良い感じの荒廃地が出来ました。 G全体を並べてみました。これはこれで良い雰囲気です。 Hこの状態でトップコートを吹きます。

ペイントにはもちろん、ペイントパックに入っていたメイドインチャイナのシタデル塗料を使いました。あれ?シタデルカラーって中国製だったんですかね?それともコレだけ?
まぁ、品質がよければどこでもいいんですけど、これはよろしくなかったですね(笑)。
水分と顔料が乾く前にものすごい分離するんですよ、こんなの初めての経験でビックリでした。
この塗料は塗膜が強いかどうかわかりませんが、かなり扱いづらく感じました。
乾く前に何度か板上でハケをすべらせて分離した顔料を混ぜるという余計な作業をやるハメになりました。
そうそう、ベタ塗り自体は皆さんが想像されるよりずっと簡単です。でかいハケさえあれば一気にやれちゃいますからね〜。
スプレーだったら何度かにわけて吹くようなことをやると思うんですが、むしろ大変かな〜と思いました。

ベタ塗りが終わった時点で、ドライヤーを使って乾かし始めたのですが、何せ面積がでかいのでなかなか進みませんでした。
そんなわけで1時間半くらい休憩をいれました。

作業を再開した頃にはだいたい乾いてましたので、岩場を100円ショップのアクリラを使って灰色を作ってドライブラシ!
そして、細かい部分(地面の亀裂からのぞく大量のどくろとか丘の隅っこの白骨とか)をちゃちゃ〜とテキトウに塗って、
いよいよ地面全体をカーキ色でドライブラシしました。これをやることで、非常に細かく作られている地面の凹凸がしっかり浮き立つというわけです。
気合をいれつつ、一気にやりまして、約5分で終了(笑)。簡単な作業で劇的な効果がありますので、オススメの作業です。

最後にテキトーに乾いたのを確認してトップコート(つや無し)を吹き付けます。湿気とか、もうどーでもいいですよネ?。テキトーですね(笑)。



筋力続く限り!フロック植毛は体力勝負!?

正午を軽くまわってしまったので、昼休みはたっぷりとりました。さすがに一気にやり過ぎて疲れてたんですね。
2時半頃から作業再開です。外は風がけっこう強く吹いてましたので、このままフロックを撒くのは危険と判断し、作業スペースを玄関に移します。
ここからの主役であるフロックもペイントパックから。メイドインチャイナ。ちなみにこのゲームボードもメイドインチャイナです。ま、いいんですけどね、別に(笑)。
シタデルの製品って英国か米国製と勝手に幻想してましたが、現実を知ることが出来ました。でもシタデルのミニチュアそのものは英米製ですよね?

@我が家の玄関は無駄に広いので、作業スペースにもってこい。 Aペイントパックの空箱にフロックを出します。廃品利用。 Bまずはボンドを塗り、若草を点々と撒きます。
Cこれをゴムトレイの上でトントンとやって、
余分な分を落とします。
D濃草は大量にあるので、見本を参孝にしつつ広めにやります。
ボンドは薄めずにたっぷり塗ります。
Eこのフロック、ダマがひどくてダマを解きつつ
の作業となりました。
F1枚がやっと完成! G3枚で体力の限界です。かなりの重量物なので、トントンがきつい。 H後半、残り3枚の再開は5時半!
I休まず無心でフロックを植毛しました!終わったのは7時頃。 Jフロックがたくさん散らかったので、最後の片付けまできっちりと。 Kついに完成です。感動で視界が曇っていました(うそです)

ペイントパックのフロックがですね、質感とか色合いは文句無しなんですが、ダマダマになりまくってたんです。
これをいちいち指でほどきつつの作業となり、大幅に余計な作業時間が増えてしまいました。ま、後で「それって振るいにかけるとか茶漉しのようなものを使えば良かったんでは?」
と言われてハっとしたんですけどね。そういうことは早く教えてください!(笑)。一人でやってるとそういう単純な事に気が付かなかったりということもありますよね。

とにかく、このフロックも印象がよくなくて、結果「ペイントパック不要論」が生まれてきたわけです(笑)。
ま、一応これを買えば他に買う必要が無いといえば無いので、手っ取り早くということであれば「アリ」かもしれません。値段がね、高いんですけどね。

作業としては、写真の通りなんですが、ほとんど全体に草を植えました。地面って別に塗らなくてもよかったんじゃ?と思うくらい(笑)。
フロックは1回サラっと撒いただけでは薄いので、2回ほどギューと押し付けます。これでしっかり定着してくれます。濃くなりますしね。
1枚の重さ約2キロの板を持ち上げて、トントンっとやってフロックを落とす作業(略してトントン)、これが非常にハードでした。途中腕と太ももの筋肉に何度か電気が走りました。
我ながら体力不足を痛感(笑)。あと、中腰の姿勢をずっと続けたのもあまり良くなかったのでしょうね、翌日は全身筋肉痛でした(笑)。

片づけをふくめて夜7時30分に全作業を終了しました。とりあえずきれいに片付けた玄関にボードを並べてみました。
そこにはマットや絨毯ではけっして表現しえない、臨場感あふれる戦場が広がったのでした。
ベテランの趣味人が(事実かどうか知りませんが)ゲームボードを置く為に家をリフォームしたりするのも頷けるなぁ〜というほどの光景。
一介の趣味人として、この素晴らしいボードを持つことできて、嬉しさを通り越して誇りにも似た気持ちが湧き上がってきたものです。おおげさなんですけどね(笑)。
でも、今度から言えるじゃないですか「僕んちにはゲームボードがありますよ!」って(笑)。ま、そんなこと言ってもしょうがないんですが。

しかし我ながら発売日の29日にこのボードを仕上げるとは「勢い」以外のナニモノでもないな〜と思いました(笑)。


最後に製作にあたってのまとめ等


その1 製作には広いスペースが必須です。何せボードがデカイんです。

その2 ペイントパック購入はお好みで。フロックは特殊なものなので、買える場所が限られますが他のものは何とでもなります。

その3 ペイントはおおらかな気持ちで、ざっくりと。通常のミニチュアペイントに使うような小さい筆の出番はありません。

その4 フロックを撒く際に、ボンドは水で薄めずたっぷりと。できれば2回ぐらいはギュッギュと押し付けてください。

その5 たぶん数人で作業を分担しつつやった方が楽しいしラクです。けど、一人でも1日で作れます!しかしオススメはしません!(笑)





それではここからはお楽しみのバトルボードギャラリーです。

活目して見よ!(見てください)このバトルボードの迫力を!
こんな戦場、WHITE DWARF誌のバトルレポートでしか見たことない!って感じ。じゃないですかね?(笑)
買った時はデカさだけに驚きましたが、
こうして完成すればそのクオリティーの高さにも驚かされます。(自分で言う)
ただの戦場がこれほどドラマチックに映ったことがかつてあったでしょうか!?
ハイエルフ&エンパイア VS ケイオス&ケイオスドワーフの大バトル。
地面の色合いが豊かなこともあって、非常に密度の濃い戦場に見えます。
単にレジメントを置き過ぎって話もありますが(笑)
丘の上には凶悪なヘルキャノンが!ってか、丘がでかすぎるんですけど。
まぁ必ずしも見た目と遊びやすさは両立しないってことですかね(笑)
僕のミニチュアはベースデコレート方法を統一してまして、
サンドを茶色く塗って草フロックを植毛する方法でやってきました。
この戦場とのマッチングは....最高です!。
バトルボードこそ、
ある意味ミニチュアゲームの影の主役といっても過言ではありません。
ま、無くても遊べるんですけどね。
丘がなだらかで、ミニチュアが置きにくいかと思いきや、
たっぷりの草絨毯との摩擦でけっこう滑らずに斜めで置くことができます。
ケイオスドワーフ軍も久々に出撃です。ま、撮影だけですけどね。
このバトルボードは塗り方次第でさまざまな種族に適した
様々な戦場に仕上げることができます。
今後はゲームよりむしろミニチュア撮影において重宝されそうな丘セクション。
我が麗しきウルサーン防衛軍の面々もこの臨場感あふれる戦場で
更なる輝きを放ってくれることでしょう!(自分で言う)


最後に

そういったことで、GWから発売されたバトルボードの製作記録を書いてみました。
ま、ぶっちゃけ日本人向けの商品じゃないですね、これは。日本の住宅事情にはなかなかそぐわない規格だと思います(笑)。
そんなわけでこれが日本で何枚売れるのか知りませんが、これを見て「うぉーバトルボード、俺もつくりてぇ〜」とか思ってもらえたら僕としても嬉しい気がします。
僕はとりあえずスタンダードな雰囲気の戦場を作ってみましたが、日本各地で緑だけじゃない様々な雰囲気の戦場が作られていったら、それはそれで楽しいことだと思います。
広島のヤツの家にいけば、ケイオスの凍てついた荒野が待っている!とか、九州のあそこには死者の砂漠が広がっているらしい....とか(笑)。
戦場とかテレインとかって、戦場を彩る兵士達の影にかくれて結構おざなりにされてることもあるかと思うんですが、ここがウォーハンマーの趣味の奥深いところ。
美しい戦場は素晴らしい兵士達を引き立て、さらなる臨場感と興奮のドラマをあなたにもたらしてくれることでしょう!

ま、こういうのが欲しかった人にとっては本当に良い逸品なので、臆せずにぜひ挑戦してみてください!。


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