ムッチーのシタデルコントラスト体験会レポート

by ムッチー

イベント日

2019年 6月某日
場所
ウォーハンマーストア神保町
参加者
12名ほど

シタデルコントラスト!
噂では完成品リリースもあるんじゃないかとの下馬評の中、
2019年の静岡ホビーショーで急遽発表されたのは丸きり新しいシタデルカラーレンジでした。
 

一手とテクスチャでのベースデコレートだけでゲームできるレベルまでペイントされた状態
「バトルレディ」に仕上げられると言う魔法のカラー!と言う触れこみだが…
これではまるで昔のシタデルのエイプリルフールの
マルチスプレーガンじゃないか!

(一回噴くと全色塗られた状態になると言うジョーク画像が公式から出てた)

そんなすごいカラーなのか?
使ってみたい!
信用ならん!
色んな感想が渦巻きつつ発売まで2週間以上。
待つしかないと思ってた所に行き付けのミニチュアショップArrowsさんからこんなお誘いが

「シタデルコントラスト体験会を関東でもやるんですが来ませんか?」

「いきます」
ノータイムで回答。
こんな機会、乗らない訳にはいかないだろう!


その時の心持ちを一言で表すならば…

こうして私ムッチーは意気揚々と乗り出すのであった

当日、雨がそぼ降る中向かうは閉店後のウォーハンマーストア。

 
そこに集まるのは各所から呼ばれた(時間の都合がつく)
名だたるペイントモンスターと
パワーゲーマーの面々!

羨ましがられちゃうのでお顔は隠させて頂きました(笑)

こうして関東趣味人とコントラストの
ファーストコンタクトとなる闘いの幕が切って落とされた!



長いネタ振りを終えたので真面目にレビュー(笑)
      
用意されたテスト用ミニチュア!
コントラストの為に発売された新サーフェイサーは2色あり、
寒色グレーのグレイシーアと、暖色ベージュのレイスボーン。


ツルツルだったりザラザラだったりするのかと思ったが黒サフのフラットさに近い。
従来の白サフのザラ付きが苦手だった人にも普通にいいかも。
濃度はグレイズとか旧ウォッシュくらい。
プリンタインクの中身に似た感じ。染料インク系なのかな。

ベテランにはインクの鮮やかさと旧ウォッシュの粘りに近いかも。
絵を描く人には模型に塗れるカラーインクのようでもある。
何を言ってるかわからねーだろうが(略)


まだ試してないけどクレオスの色の源みたいに通常カラーに混ぜても濁らず彩度上げられそう。

一回塗るだけで文字通り染まるように色付いてシェイドも完了する。
染まるように色づくのは新しい感覚。

色の濃さも色ごとにクセがかなりある。
リザードマン左のリバイアドンブルーはかなり濃いめ。薄めつつ一回塗ったのが左側の状態。
対して右のエーテルマティックブルー?は結構淡い、右側が二回くらい塗ってようやくこれくらいの色味。
しかし 淡い魔法とかの発光表現にはいいかもしれない。
グレイズが絶版かもと危惧されてるが右の赤コントラストのブラッドエンジェルズレッドとかはグレイズ以上の発色に見える。
後でアップになるが斧の装飾の黄色イアンデンイエローもバチッと鮮やかな黄色が出る。これだけでもすごい。
肌色に使ったのはファイアスレイヤーフレッシュ。これも発色は良好。
筋肉は凹部にシェイド効果が入り、凸部は薄く下地のベースが透けてハイライト効果があるので向いている。
向き不向きの造形があるのが分かった。
嬉しいのは色味が豊富で近似色でもたとえば茶色。
向かって左のブーツに、ゴアグルンタファー。
胴体ベルトはダークオースフレッシュ、見本カラー間違えたけど右ブーツがスネークバイトレザーかな?
ズボンの黒ブラックテンプラーも優秀。一回塗るだけでこの黒の陰影は絶妙ではないか!

しかし注意点は塗る前から完成後の色が分かりづらい。
できればショップなどで完成見本を見るか試してからにして欲しい

 
こちらはちょっと失敗例。斧部分を見て欲しい。
刃のグレーを先に塗ってから装飾の黄色を塗ったのだが、
先に塗った刃のグレーが盛大にはみ出したが
後から塗った黄色は下地をすかすので刃の上の装飾(コーン紋章)が濁ってしまった。

向かって左腰アーマーも赤がはみ出てから黄色のリムを塗ったら濁った。
濃→淡だと透けるのでカバーできないのではみ出しに注意をするか
通常のレイヤー(この場合だと金色とか)で修正を前提にするか。
いずれにしてもペイントの塗る手順はこれまで以上に重要になりそうだ
逆に淡→濃の重ね塗りは有効。一枚目腰アーマーの赤が赤→フチを赤紫で塗ってる。

2枚目シールドに同色の二度塗りをしてみたがこれも面白い効果がでる。
コーンブラッドバウンドの人の手首の布やスケルトンの骨など混色してみた。
可能だが違う色味同士を混ぜると色が思ってない感じに化けそう

しかしパレットの経過を見て貰うと滲みがキレイ。
水彩画表現とか、近い色味間のグラデーションとかは乾く前に混ぜたりすると容易に可能かもしれない。
ティーンチ系とかはかどりそう。


試みとしては三枚目の短剣柄は黄色、ダークイエロー、茶を生乾きのまま重ねただけでNMM的なのが出来そう。
レイヤーで白を足すだけで、もうNMM完成するのでは!?

剣のグレーが生乾きの間に、上に茶を点を描くように突いてで滲む。サビとか油汚れ的な汚しにも使えそう




大体終わった完成の様子。

はみ出しには弱いが伸びが良いので筆選びから塗り方まで新しいセオリーが必要そうだが何より早い!
2時間弱で色々実験したりなど調べながらでも3体塗れたので慣れたら塗れそう。

あと触る前の懸念だったが普通に水で洗って伸ばせるがシャバ度が増す。
色を薄くして濃度を保つのがメディウムなのかな。体験の時はたまたま触りそびれてしまった。


体験しての雑感。

●長所
・速い!
・色が鮮やか!
・速い!
・伸びがいい
・速い!


1にも2にも速いのが強い。しかしただ万能では無いので一長一短ありそう。

まず造形に向き不向きがありそう。
見本でもあったリザードマンやコーン族なんかの鱗、毛皮、筋肉などメリハリが続く人達には向くけど
ツルッとした平面が続くのには向かなさそう。マリーンとかIGアーマー部分とか。

ただ前者の向く造形の物は考えなくバシャバシャ塗ってもいいと言うだけで
後者の平たい部分に対しては卵帝さんのウォッシュ主体のミニチュア量産講座みたいに均一に塗るのとダマになった所を筆で吸ったり伸ばしたりと
微調整すればキレイに塗れるので「考え無しではダメだけど塗れる。」と言う印象か。

※平たい個所へのバシャバシャ塗りはムラの元だ。気を付けよう

そして伸びがいいので細い筆でもスルスル塗れるしハミ出し対策(後述)には狭い所も塗れる細めの筆の方がいいかも。



●短所
・ハミ出しに弱い
・ペイントプランの大幅な変更

ハミ出し〜は下地の色を隠せないのでハミ出ちゃうと後から塗る色に影響が出る場合がある。
サフ色のベース出てるので塗ってから再度コントラストか。でも色味ズレないかな?
普通のシタデルカラー(レイヤー)で塗り分けしてもいい。

後はベージュ系のレンジが少し弱く感じたけどレイズボーン地にして
茶系をメディウムで薄めれば大丈夫かも


●みんなが気にしてるところ!
・新サフじゃないと塗れないの?

そんな事はない。ちなみに新下地はコントラストが透けるから効果的と言うだけで、
白でもいいし、ザンドゥリダスト辺りもいいし、金属色に塗ればキャンディ風にもなるそうな。

・ハミでちゃったらどうするの?
サフと同色ベースがあるから修正できる。単純にグレー、ベージュの下地としても便利そうで嬉しい
後述するが普通に既存シタデルカラーでも修正できる。


・今までのシタデルカラーと一緒に使えないの?
現シタデルカラーの上からコントラストもできる。
ただこちらはコントラストが下地を透かす分、通常カラーが濃いとあまり意味がない組み合わせはある。

そしてコントラストの上から現カラーもいい。
牙や瞳などのワンポイント、鎧のフチなんかを後から塗る事でスピードペイントにもメリハリが出てくる。

・専用メディウム売るって事は水じゃ薄められないの!?
そんな事はない。洗うのも水だし、水で希釈もできるが、
水で希釈すると色味と一緒に粘りも薄くなるのでシャバシャバにしたシェイドみたいになる。
色を淡くしたいけど、粘りを残したい時にメディウムを使おう。
濃い色が多いのでメディウムの使い方で更に色味にバリエーションが出そう。



新しいセオリーの新しいカラー。スピードとクオリティとの狭間。
何気に新ベースカラーも強力そうだし、我々趣味人の前には研究の余地しかない、
果てしなく広大なペイントの新大陸が広がってるのだ。



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2019.6.23

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