【FB】戦鎚ハリーとグランドペイント

by ムッチー

戦槌ハリーに込めた想いとグランドペイントコンテストの記録

(初出2012/2/3)

グランドペイントコンテストも決勝が終わり結果が出ましたが予選では負けたもののオープン部門で優勝を頂きました!

今回他部門はスタッフ審査だけでしたがオープンは一般投票。
一般投票は水モノと言うのが持論な上に力作揃いの激戦だったのですが
今回は途中経過でRmanさん、卵帝さん、後輩たちなどに
すごい応援して貰ったのでそのまま「負けちゃいました〜」
では格好が付かないと思ってたので優勝出来てホッとしました(笑)

幸か不幸か友人達が来た時には一般投票を締め切っていたので内輪贔屓の票は見込めない結果なのを補足しますw

RoRに送るように背景画も描いたのでジョン・ブランシェ氏の元イラストと並べて。
結構似たんじゃない!?
まずは作品を見ておくんなせぇ
ハリー4方向から
テーマはイラストに忠実にする事とベースを
同デザインのVCのスケルトンで増量する事の2点。
ハリーはイラストの再現の為にポーズ変更や長髪などの造形の追加をしました。
…と、サラリと言えたら格好良いのですが
ハリーは腕と胴体が一体成形なので右腕を上げるだけの改造が
自分の趣味人歴の中でも最大の苦行とも言える大工事になりました(笑)

最初からイヤな予感はしてたのですが腕を上げないままだと
「ミニチュアを見る度毎回思い出してモヤッとするだろうなぁ」
と思うと切らない訳には行きませんでした。
あとは兜のワンポイントがリベットだったのを
イラスト通りのドクロにしてるのがオシャレポイント。
これはマリーンからちぎって貼っただけなのでなんでも無いんですけどw


ペイントは元イラストの水彩画風を意識しつつ、
そのまま再現すると元イラストを知らない人にはノッペリして見えてしまいそうだったので
ミニチュアとしてのメリハリの為にNMM風のグラデーションにしてあります。
NMM「風」なのは陰影の波が少ない為、雰囲気程度にって事で。
イラストには無い表現ですが鎚、盾のドクロはちゃんと骨っぽく、
兜の角は水牛や象牙っぽく素材感を出したのもメリハリの為です。
イラストを知らない人にも格好良く、知ってる人はニヤリとする。
今までのコンテストで教えて頂いたノウハウを応用してみたつもり。
四角錐の鋲が凄い多いのでまずはNMM風の陰影の向き、
次いで単純作業のライニング、最後に塗ってると触る分で
ペイントがはがれるのでそのリタッチと苦しめられましたw


ベースは地面が見えないようパズルのようにプラのスケルトンを敷き詰めて行き、
ペイントもイラストのイメージに合わせてテーマカラーを赤茶系の配色にしたり
錆のペイントも多めにして全体的な色合いを調整しています。
またハリーのNMMが目立たせる為なので、ベースになるスケルトンの武器は
目立たせない為にメタリックカラーを選択しつつ茶系を混ぜたり
厚手にウォッシュをして光沢が出ないようしてみました。

コンテスト作品なので目立つよう飾り台も用意しました。
ネームプレートと合わせて近所の模型屋に売れ残ってた古い国産の物を入手。
台座は改名する前のグンゼで、ネームプレートはwaveだけど
今や懐かしいインレタ(ドライデカール)だぜ!w
ネームプレートの端を台座と同じこげ茶に塗ったのがオシャレポイント
元地元の模型屋が閉店してしまったので今居る近所の模型屋では
地域振興して行きたいと思います。
話題が脱線。


最後にRoRの為に元イラストをマネした背景を描いて仕上げ!
振り返れば自分が初心者だった発売当時に
「これはいずれ上手くなったら作ろう」
と寝かせておいたミニチュアで入手当初よりの目標だった
「イラストそのまんまのミニチュアが欲しい!」
と言うテーマを無事達成できたかのではないかと思ってます。

腕加工、スケルトン、溢れる程の鋲のライニングなど
何度も簡略化しようか、止めてしまおうかと挫折しそうになりました。
昨年王者のプライド!なんてものは無いのですが
遠方近所の趣味人友の応援や、自分を先輩と仰ぐ後輩への見栄と意地などで
なんとか仕上ました。
それでもシングルミニチュアFB部門の予選の時には締め切りまでに
ミニチュアに時間掛けすぎて反ったベースの補修ができなかったり
最後の修正が不十分だったなど自覚できる分でも色々あるので
スタッフさから見ればまだ粗があっただろうし敗退は納得できました。
一方それを埋めて挑んだだけにオープンでは評価を頂いたのではないかと思います。

今回有り難くも「絵画的」と言う評価を頂く事が多いのですが
昨年と違い新技法を編み出したと言う事はなく
ジョン・ブランシェのイラスト複数点とタマに出る
ホワイトドワーフの氏本人の自由なペイントを何度も見て
意識をなぞろうとしたのが手法と言えば手法です。
今までマンガなどで模写をしてきた経験が活きたのかもしれないです。
またペイント自体はペイント仙人のような理解できない技術でもなく
ペイント大全とヘヴィメタル本にある基礎技術を
地道に積み上げてきた物かなと偉そうにも思う次第です。
もうホビセンでも中堅ですし後輩に分けて行けたら良いなぁ。

今回のハリーで構想のストックは尽きてしまったので来年へ向けては
自分の欲しい物、格好良いビジュアルに正直に生きて
新たなインスピレーションを得たいと思います。
また昨年5月のFMPからフリーマンな間なんだかんだ
毎月毎月締め切りを設けてのペイント漬けだったので
ちょっと小休止してしばらくはサボってるドロップポッドなど
ちょびちょび塗っていきますw



製作経過
一度サフ噴いてから落としたので溝に黒が入って少し格好良いw
メタルとプラの色の差で増えたスケルトンがわかりやすい。
あとは本来メタルである飛び出た剣が加工中に折れたので
面倒臭い工事の果てにプラの剣に置換。
ハリーの右下、プラの二本角兜のスケルトンの上。
ハリーをお持ちの方は見てみてくださいw
地面の黄色はポリパテ。
後に反って俺を苦しめる
元々のハリーの画像を撮りそびれたけど
本来肩〜腕までが胴体と一体化しているのを
イラスト同様振りかぶるポーズにする為にポーズ変更をする事に。
悪魔が浮き出たり鋲だらけのアーマーは復元できないので
肩、小手と切り抜いて、加工の際のノコギリの被害の余波は
復元しやすい毛皮マントと腕に重点的に行くよう。
3〜4方向から切って行って分離できたら内側をリューターで削る。
腕の軸はマローダーにしてまた延長したりする。
アーマー分割の際に犠牲になったマントを直すのだが
腕を振り上げたのでマントの流れも少し変えたつもり。
毛皮はグリーンが下手な俺でも偽装できると踏んだので正解でした。
イラストを見たら髪の毛があったので盛る。
腕に掛かる方がかなりたなびいてるから背中の方ももう少し動きつければ良かったかな


そうそう、最後に自分の話ばっかなったけど
昨年優勝してるからフリー部門の審査員もやってきました!
ポイントを付けるとかでなくスタッフと意見を出しあい、
見所、マイナスポイントなどをすり合わせて一点を選ぶ形。
知人が居る部門じゃなかったので身贔屓もなく、
またスタッフが評価する点、目ざとく見る点など知れたので
大きな収穫となった経験でもありました。

長くなったけど終わり!!

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本記事はRoR副管理人のムッチーさんのご厚意で、ムッチーさんのヘルズ商事より転載させていただいたものです。


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