クライシスバトルスーツ コマンダー by 野原
野原さんのコメント
XV8クライクスバトルスーツです。
このモデル発売されてより十年近くたち、タウ発売直後から一度は自分好みに改造したかったモデルでした。

自分好みのモデルに変更する為に作成に入る前に色々悩みました。
どうコンバージョンを行うか、参考にネットで色々な作例を拝見して自分の中にあるバトルスーツ像を整理することから始めました。
ネットではその殆どがバトルスーツに追加要素でカッコよく見せるコンバージョンが支流のように感じましたが、
私はクライクスバトルスーツのデザインは変えずにプロポーションの変更のみで自分好みにできないかチャレンジしてみました。

仮組したモデルやネットの作例を見てみると斜め45度の角度だとバランス良く見える事に気が付き、まずはその原因を探り改造ポイントを絞てみます。
結果、両手や足の延長だけで無く、バランスの原因が肩の位置や腰有無、胴体や股関節の位置バランスなどを調整する事によって自分好みのバランスに近づける事が出来ました。

このコンバージョンは胴体と両手を大きく修正しましたが、そのパーツをレジンに置き換える事によって、同じバランスに調整したバトルスーツモデルを量産出来る体制も整えました。
写真に移るコマンダーのボディーガード二台がそれです、十分な数のバトルスーツを改装出来るだけの材料は準備してしまいました。

さらに、モデルでは収納されている手もコマンダーの号令ポーズを再現する為に自作しましたが、
四本指なのは実際作成する段階で初めて気が付きました、気が付かなければ普通の手として作っていたでしょう。

2013の4月、新しいコマンダーバトルスーツが発表されています、新しいコマンダーは従来のXV8バトルスーツより頭一つ大きなサイズで、デザインもスマートになっています。
ただ、べースサイズが40mmのままだったので、このコマンダー使う事が出来そうで、初陣前に使用できなくなると言う最悪のケースは回避できて助かりました。

Rmanのコメント
新生タウの発売が目前に迫った今、XV8型バトルスーツはモデルチェンジが見送られたことも相まって、
野原さんによって理想のプロポーションを獲得したこのバトルスーツの美術的・資料的価値の高さは非常に高まっていると思います。

この10年余りを振り返ってみますと、発売当初から現在に至るまでこのバトルスーツは色んな意味でファンに愛されたキットでしたね(笑)。
タウを作る人それぞれにコダワリの改造や工夫が施され、他のアーミーのユニットには類を見ないほど独創的な作品が生み出されてきたのがこのバトルスーツ。
そして野原さんのコダワリは基本デザインをまったく崩さず理想のプロポーションを実現させるという、言うは易し行うは難し、の典型ともいえるようなとても凝ったもの。
そして、これぞ純正バトルスーツの純ファンにとってはまさに理想といえる仕上がりなのではないでしょうか!

僕はタウの掲げる大善大同の信奉者ではありませんが、しかし!
このバトルスーツを見た時、雷に打たれたような衝撃を受けました。
そして出てきた言葉は
げぇぇぇ・・・(笑、最高峯の感嘆詞です)でした。

普通のバトルスーツがカッコイイ・・・なんで?みたいな(笑)。

こんな台詞吐いたら世のバトルスーツファンに怒られちゃいますね、すみません。

あまりに整った仕上がりに全く想像の及ばないながらも多岐にわたる改造メニュー、
さらにこの美しいペイントが施されたことで凄まじくハイレベルなバトルスーツがここに存在しているんですね。

配色も公式の色とはまた違ったリアルテイストとセンスの良さが噛合って、新しい配色なのにタウらしさを全面に感じますし、
流れるような自然なグラデーション、ぼんやりと光るモノアイ、黒い金属色の表現など、どこをとっても超ゼツなペイントで、いつまで見ていても全く飽きない作品です。
コマンダーの機体にはバトルダメージも施されることで、歴戦感も演出されていて、よりキャラクター性を浮き立たせることに成功していますね!

ベースデコレートもとても綺麗にまとまっていて、透明の支柱を使わないで機体を浮かせる工夫もナイスです!
草の立ち具合ひとつとっても完璧で、どこまでも丁寧な仕事が光ります。

この作品を見ていて僕が今感じることは、XV8型バトルスーツのモデルチェンジは見送られるべくして見送られたのだな、ということです。
ファンタジーバトルのエンパイア馬と一緒で、このバトルスーツというキットには趣味人みんなの工夫が生きる素体として非常に高いポテンシャルがあると、
GW首脳陣も判断したのでしょう。

・・・なんちゃて(笑)。

ともあれ、本当にカッコイイ作品です。
野原さんのタウ・エンパイアが戦場に出撃する日が本当に待ち遠しいですね!