戦鎚ハリー by ムッチー
ムッチーさんのコメント

c Games Workshop Limited グランドペイントコンテスト2011に挑むべく戦鎚ハリーを作成しました。

テーマは同時に発表されたジョン・ブランシェ氏のイラストに忠実にする事、
ベースを同デザインのVCのスケルトンで増量する事の2点です。

ハリーはイラストの再現の為にポーズ変更や長髪などの造形の追加をしました。
…と、サラリと言えたら格好良いのですがハリーは腕と胴体が一体成形なので
右腕を上げるだけの改造が自分の趣味人歴の中でも最大の苦行とも言える大工事になりました(笑)

複雑な造形のケイオスアーマーをノコギリで分離した後、
マローダーの腕を芯にポーズ付けして切断時に破損した一部モールドを復元しました。

ペイントは元イラストの水彩画風を意識しつつ、
そのまま再現すると元イラストを知らない人にはノッペリして見えてしまいそうだったので
ミニチュアとしてのメリハリの為にNMM風のグラデーションにしてあります。

ベースは地面が見えないようパズルのようにプラのスケルトンを敷き詰めて行き、
ペイントもイラストのイメージに合わせてテーマカラーを赤茶系の配色にしたり
錆のペイントも多めにして全体的な色合いを調整しています。
またハリーのNMMが目立たせる為なので、ベースになるスケルトンの武器は目立たせない為に
メタリックカラーを選択しつつ茶系を混ぜたり厚手にウォッシュをして光沢が出ないようしてみました。


コンテスト作品なので目立つよう飾り台も用意しました。
ネームプレートと合わせて近所の模型屋に売れ残ってた古い国産の物を入手。
最後にRoRの為に元イラストをマネした背景を描いて仕上げ!
振り返れば自分が初心者だった発売当時に「これはいずれ上手くなったら作ろう」
と寝かせておいたミニチュアで入手当初よりの目標だった「イラストそのまんまのミニチュアが欲しい!」
と言うテーマをWISYWIG人間として無事達成できたかのではないかと思ってます。
コンテストの結果ですがシングルミニチュア、ウォーハンマー部門では予選で負けたもののグランドファイナル当日にあるオープン部門でチャンピオンを頂きました。
メモリアルなミニチュアかつ以前から構想してた作品での受賞と言う事でとても嬉しいです!


Rmanのコメント

まずは2011年グランドペイントコンテスト・オープン部門、優勝おめでとうございました!!
日本最高峰のペイントコンテスト、その一部門で優勝された作品に僕がコメントを付けるのも何だか恐縮してしまうところですが(笑)、
コンテストも終わって結果発表も済んでから、RoR用に改めてご投稿いただけたということで、いつも通りコメントさせていただきます!
先に断っておきますが、コンテスト優勝の作品に対して個人的に僕が感動した時によく使う「
げぇぇぇ〜〜!」などという下品な感嘆詞は付けることは出来ませんが、
もちろん気持ちはそれ以上です(笑)。

僕はこの作品を最初に見た時、もう何ともいえず胸が熱くなるものを感じました。
僕もムッチーさんと同じくジョン・ブランシェの大ファンで、戦鎚ハリーのモデルも本当に大好きで(個人的に一番好きなシタデルミニチュアの一つです!)、
それだけにジョン・ブランシェが描いたハリーのイラストを再現しようというムッチーさんの心意気とその完成度の高さに本当に胸を打たれました。

ムッチーさんと言えばご自身も仰るようにWISYWIG人間(笑)ということで、今までもこだわりの作品を見せてくれましたが、
ミニチュアを使ってイラストを再現するというWISYWIGはイラストを描く趣味をお持ちのムッチ−さんならではの着眼点ですし、
ミニチュアゲームの「駒」という範疇を飛び越えて、一つの「アート」として完成させられた作品だと思います。

アーミーの増強としてペイントを楽しまれるだけでなく、以前よりコーデックスの表紙絵を再現されたりと、
画期的で意欲的なペイントに取り組まれてきたムッチーさんだからこそ、辿り着けたひとつの完成品がこの戦鎚ハリーですよね。
イラストの再現を狙いつつ、ミニチュアとしてのメリハリ感を大切にされたというエピソードも、以前の作品の経験があってこその目線ですよね。
そして、その狙い通りジョン・ブランシェ風味を醸し出しつつNMMの質感と格好良さを見事に両立されていて、技術だけでなく魅せ方をも心得えた塗り込み具合に、
ジョン・ブランシェのファンとしても、そしてミニチュアペイント大好き野郎としても大満足してしまいました。

ジョン・ブランシェのイラストの特徴的な雰囲気が色のチョイスから本当に良く再現されていて、
落ち着いた雰囲気を感じつつ非常に派手に仕上げられているのも凄いです。
これはベースのスケルトン達のトーンを意図的に落とすことで、主役をしっかり目立たせようという試みが見事に成功しているのだと思いました。
ハリーは非常に禍々しい造形の鎧を着こんでいるわけですが
、ムッチーさんの丁寧な塗りこみによってその造形美をより一層引き立てて(ケイオス的に)神々しいオーラさえ感じさせてくれるものにしていますね。
ほんと、見れば見るほど美しい作品です。

イラスト再現のために、色々とリスクのある大工仕事をも辞さないで、真摯に取り組まれたのもムッチーさんらしいですよね。
何だかんだ言ってムッチーさんはメタルを切り刻んでポーズ換えはもうすっかり得意になったんじゃないでしょうか(笑)。
このポーズ変更もイラスト再現のためと言いつつも、もともとこのポーズだったと言われても全く違和感無く自然に仕上げられているのが何気に凄いことです。
このポーズの方が元のモデルよりもハリーの愛称の由来でもあるハンマーがよく目立って実にカッコイイと思いました。
僕も思わず真似したくなりますが、いざ着手となると失敗が怖いのできっと真似できません!(笑)。


この戦鎚ハリーから「ミニチュアを用いたアート」の一つの高みを見せていただき(背景付き写真でまさにアートが完成ですね!)、
またペイントの面白さ、奥深さというものを教えていただきました。1ミニチュア・ファンとしてムッチーさんに感謝です。
良いものを見せていただき、ますますウォーハンマーが好きになりました。

そして、最後になりますが改めて優勝おめでとうございました!これからも素晴らしい作品作りを続けていってくださいッ!