モルディアン第82連隊 ゲイリー“グランドファーザー”マクミラン大佐
written by 卵帝

モルディアン第82連隊を率いるゲイリー・マクミラン大佐は、数々の戦役を潜り抜けてきた偉大な軍人であり、マカリア十字賞や帝国名誉賞を始めとした数々の勲章も授与されている。
近隣星系での彼の人気は絶大であり、「兵隊さんらしゅうない好々爺」である彼の性格も人気に一役買っているといえる。

しかしながら実際のところ、彼は長年の戦友マイティ・マックスのように鋼鉄の肉体を持っているわけでも、かの“総代卿”クリードのような稀代の戦術家というわけでもない。
では何故、いわば凡将に過ぎない彼がここまでの戦歴を築くことが出来たのだろうか?

その最もたる要因は彼の政治能力にあると考えられている。
長年の“努力”の末、見事モルディアン第82連隊の連隊長に登り詰めた彼であったが、それ以後も“交友関係”を広げるための努力を怠る事はなかった。

帝国技術局への資金援助に始まり、近隣星系の工業惑星化の誘致、
大規模宇宙ステーションの建造による帝国宇宙軍や武装商船への活発な補給支援、
あるいは星域内の帝国教導院設立に尽力する事で、子息を持つ官僚たちの支持を得るなどその政治活動は多岐にわたっている。
また、これらは公然の秘密とされているが、タウエンパイアやエルダー・エクソダイトとの交易を黙認しているとも言われている。

“副業”としてこれらの活動(紹介したのは極一部である・・)を長年行ってきた結果、
彼はすっかり近隣星域の顔役になっており、彼が連隊を動かす際、進んで“協力”するものが後を絶たない。
このため彼の連隊は通常ではあり得ない程のバックアップを持って戦う事が出来るのである。
連隊に所属する殆どの部隊がキメラによる機械化を行われている事などはほんの一例に過ぎない。

実際、彼の権力は一連隊の指揮官が持つそれを遥かに超えており、
モルディアンの連隊長の中には彼を危険視するものも若干だが存在する。
しかし、彼に反乱の徴候は全く見られないばかりか、
むしろ今まで数え切れないほどの反乱鎮圧を行ってきた程である。
(そして、それらの勢力の大半は無血開城により第82連隊に吸収されている!)

連隊長達に高齢を指摘される度に彼は
「わしゃあ、マックスのヤツめがくたばるのを見るまでは隠居できんのんよ。」
とうそぶくが、柔和な態度とは裏腹に現在も権力の拡大に余念がない。

帝国を代表する忠臣と言われている彼であるが、
これらの理由故に近年徐々に異端審問庁や一部のマリーン戦団の注目を集め始めている。
性急さで知られるインペリアルフィスト第3中隊のパウロ・サンドロス中隊長曰く、
彼の“交友関係”はタウやエルダーに留まらず、オルクのブラッドアックス氏族や、
かの忌むべきアルファリージョンにまで及んでいる可能性があるとされるが、
これらは全く根も葉もない誹謗中傷に過ぎない。