Written by Daniel

翻訳by てらだ

※広島会のダニエルさんが執筆したストーリーをさがりの会(福岡)のてらださんが翻訳&加筆してくださいました。
この場を借りてお礼申し上げます。素晴らしい翻訳本当にありがとうございました!それでは皆さん、てらださんによる翻訳文をぜひお楽しみ下さい。

 マクミラン大佐は東部宇宙港を今一度、光学スコープで探索した。宇宙港は朝日を浴びて輝き、一見すると何の異常もないように見える。

 宇宙港は戦乱勃発当初に電光のごとき襲撃を受けてから3ヶ月もの間、狡猾なエイリアン、エルダーによって支配されていた。しかしながら彼らはこの施設で略奪をするでもなく破壊をするでもなかった。
 そして今、マクミラン大佐率いるモーディアン第82連隊は、宇宙港をエルダーの手から奪回するべく任地に到着したところだった。彼らの任務は支配権の奪取と共に可能ならば港としての機能を復旧させる事だった。
 ストームトルーパーと共に特別編制した空挺部隊を数十機のヴェンデッタとヴァルキリーに搭乗させた大佐は周到に電撃作戦の準備を進めた。大佐は空挺部隊を援護するために80輌を超える歩兵戦闘車・キメラを随行させる事にした。
 堅実な老大佐は、派遣した部隊の規模がエルダーの基地を奪取するのに十分な戦力であることは理解していたがエルダーという種族が一筋縄ではいかない相手である事も承知していた(・・・狡猾でも卑劣でもない素直なエルダーなど、この宇宙に存在するはずがない)
 大佐は強襲降下を試みる空挺部隊が、エイリアンの得体の知れない殺戮兵器や、歪みの力を使った忌まわしき魔術の餌食になりはしないか、と細心の注意を払った。

 特段何の罠も無いようだった、大佐は無敵の機甲部隊に前進を命じた。宇宙港の敷地を埋め尽くさんばかりに部隊は展開していった。
 無数のグリフォン・ヘヴィモーターは溢れんばかりに積載された弾薬をエルダー基地の中枢に撃ち込んだ。鮮やかな放物線を描いて着弾した無数の弾頭は次々に炸裂してエルダーの兵士達を焼け焦げた小さな肉片に変えていった。
 その一方で猛烈な爆撃にもかかわらず宇宙港内のビル群や重要施設には深刻な被害は出なかった。グリフォンモーターの弾頭に建造物を崩壊させるほどの威力は無いが、そこにこもる兵士を駆逐するには十分過ぎる威力があった。
 完全に不意を突かれたエルダーは宇宙港を防衛すべく高機動部隊を差し向けて襲撃者との距離を詰めようとしたが、絶え間なく降り注ぐマルチレーザーとヘヴィボルターの弾幕の前にその進行を阻まれた。
 その間にも、機動力に劣る徒歩のガーディアンスカッドとウォーウォーカーがグリフォンモーターの曲射砲の嵐に晒され甚大な被害を受けていく。
 軽んじていたはずの人間ども、彼らの想定外の猛攻にアウタルーク・ジェイドも無傷ではいられなかった。プラズマガンの超高熱によって酷い火傷を負ったのだ、丘陵地帯に撤退する直前の不運であった。

 東部宇宙港は再びインペリウムの手に戻った、マクミラン大佐は安堵からか深く嘆息した。戦闘は危惧していたよりもはるかにはやく終了し、部隊の受けた被害は最小限のものだった。
 大佐は通信兵に命じて彼の古い戦友ロードコミッサー・クラウザーとの通信回線を開いた。
 「ようご老体、こちらマクミラン。今ちょうど東部宇宙港だ。例のけばけばしい『パンジー(※訳注)』ちゃん達に会いに来たんだが、やつら挨拶もそこそこに逃げおったわい」
 大佐は更に続けた。
「今なら貴官の将兵達はここに進駐する事が出来るだろう。わしらは東部戦線での新しい拠点を手に入れた、これで補給の心配も少しは無くなるだろうさ」
 激戦地から更に東に120キロ先の地点にいるクラウザーは大佐の協力に謝意を示しつつ早速自らの部隊を進軍させた。宇宙港を目前にした広々とした平野を戦車軍団は縦列で行軍していく。
 全てがうまく運んでいるように見えた。
 勝利の吉報が老練なコミッサーの鋭い勘を鈍らせたのか、彼らは敵の張った罠の中に自ら飛び込もうとしている事に気付けずにいた。
(※訳注)
 エルダーの色彩感覚は帝国臣民には到底理解できない。彼らの身体の華奢なフォルムと奇抜な色使いの軍装は、草花に喩えるのが一番しっくりくる。

 数時間ほど前、宇宙港から半日ほど南に下った場所ではエルダー達のそれよりもおびただしい血が流れ、暴力が渦を巻いていた。
 キーパーオブシークレット・テンプテイトリックスと彼の下僕たるスラーネッシュディーモン達は歪みの中から東部宇宙港に巨大なワープゲートを開こうと画策していた。
 こんなにも沢山の御馳走・・・エルダー達を前にしてはさすがのディーモンロードも自らの内から沸きあがる醜い欲望を隠しきれなかった、スラーネッシュにとって洗練されたエルダーの精神は最高の御馳走だ。彼は宇宙港に駐屯している可愛い可愛いオモチャ達を存分に殺戮し、死後の世界においてもその魂をねぶりつくそうと考えていた。
 しかしながら彼のお楽しみは部下の中に潜んでいたティーンチ神によって妨害された。チェンジリングは、もしテンプテイトリックスに自由にエルダーを捕らえさせて大好物の魂を沢山与えてしまった場合のことを考えた。現世での活動に興味を失ったテンプテイトリックスはレルムオブケイオスに戻ってエルダーの魂をいたぶる事に精を出すに違いない。本来の目的を忘れてしまうほど、スラーネッシュにとってエルダーの魂は魅力的なものだ・・・しかし、スラーネッシュディーモンの戦力がそんなことで離脱してしまうのはティーンチ神にとってはなはだ面白くない事態だ。
 そんなことをさせてなるものか、とチェンジリングは彼の支援者であるティーンチ神の意向に従って魔術を駆使してテンプテイトリックスの暴走を阻止した。
 彼はワープゲートの開く場所をずらした・・・移動先はなんと、よりにもよってイーデンハイヴにある巨大なティラニッドの巣!
 ハイヴシティの街並みへの電力供給は遮断されているため、夜が訪れるとハイヴシティは完全なる暗闇に包まれてしまう。
 そんな闇の中で激しい明滅が起こり、巨大なワープゲートが開いた。ディーモンの軍勢がティラニッドの真っ只中に一気に突入した!
 大規模な混乱の中、そこらかしこで凄絶な殺し合いが続いた。
 無数のブラッドレターがワープゲートから現れ、格闘能力の無い非力なゾアンスロープやバイオヴォア、ターマガントの群れの只中に飛び込んでいった。
 コーンの尖兵達は数千にも及ぶ禍々しいティラニッドどもの外骨格を自らの主神、血と殺戮の神に捧げたが、ジーンスティーラーやカーニフェクスの大きな群れに飲み込まれて四肢を引き裂かれていった。
 グレートアンクリーンワンが薄気味悪い下卑た笑いを浮かべながらゲートから顔を出した、ちょうどそこには巨大生物カーニフェクスが3匹ほど彼の到着を待ち構えており、その巨体をぶつけてきた。
 ここに人類の想像を絶する巨体同士の壮絶な戦いが始まった!
 この戦いの中で不幸にも戦闘に加勢をしたハイヴタイラント、リーダー有機体1342号がグレートアンクリーンワンの大剣によってその身を二つに裂かれてしまった。ティラニッドにとって予期せぬ事態である。
 一方、エルダーを喰らい尽くすつもりだったテンプテイトリックスにも予期せぬ事態が起こっていた。配下のディーモン達と離れて単独で実体化した彼はアンクリーンワンとの戦闘を終えたカーニフェクスの群れの注意を引いてしまった。カーニフェクスはその腕のデヴァウアーをテンプテイトリックスに向けた。そしておびただしい数の極小甲虫の群れがテンプテイトリックスに浴びせかけられた!
 デヴァウアーの弾薬として放たれる肉食甲虫の群れがテンプテイトリックスの体を容赦なく食いちぎっていく。完全に喰らい尽くされる前にキーパーオブシークレットは近くのワープゲートに撤退していった。
 リーダー有機体1342号の活動停止に伴い、シナプスリンクが途切れたティラニッドの群れは途端に統制が乱れた。それまでの軍隊のように統率の取れた動きをしていた彼らはうってかわって野生の獣のごとく本能のままに動き始めた。彼らは戦いをやめて自身を守る事を優先して身を潜めた。そうして我先にとハイヴシティ周囲の地下水脈や洞穴、下水にこぞってなだれ込んでいった。

 虫どもにその身を貪り食われたテンプテイトリックスは一時的にディーモンの軍勢を操る力を失っていた。
 それを待っていたかのように新しいグレーターディーモンが姿を現した。伝説のティーンチ神の化身フェイトウィーヴァーだ。彼は忠実なる下僕、チェンジリングの手引きによってここジェニスに実体化したのだった。彼が残存している少数のティラニッドの群れを焼き払うと彼の直属軍団であるティーンチディーモンが続いてゲートから実体化した。

 フェイトウィーヴァーはいまや完全に自分の物となった眼前の数万の軍勢を眺めほくそえんだ。
 使命をないがしろにして快楽を貪る事を優先するスラーネッシュを排除、彼らの軍勢をそっくり手中にしたのだ。フェイトウィーヴァーはティーンチ神の願望を叶えた事に満足していた。
 しかしながら屈強なロードオブチェンジの慧眼をもってしてもリーダー有機体1342号の骸が無くなっている事までは見通せなかった。
 胴を切り離されたタイラントの半身は誰にも気付かれる事なく結合し、凄まじい速度で体組織再生を始めていた。一度倒されたはずの死神の目に再び怪しい光が点る・・・フェイトウィーヴァーすらたばかったこの狡猾なハイヴタイラントは誰にも気付かれる事も無く群れを集め始めた。一旦散り散りになって地下に潜った彼の大軍勢は、ハイヴマインドの導きによってすぐにでも不死身の暴君の下に集結するだろう・・・

 アルファリージョンの山岳砦には先頃処刑されたボーシスの後任としてキラー・ザ・クルーガーが副官として着任していた。クルーガーはボーシスと違いジューダスに心酔し忠誠を誓っていたため、クルーガーはケイオスロードからの信頼を得て誰よりも重用されるようになっていた。
 クルーガーは比較的荒廃の少ない帝国の大聖堂がファラディーズハイヴの50キロ圏内にあるという情報をケイオスロードに先んじて入手しており、これを更なる忠誠の証としてジューダスに報告した。ジューダスは刃のような鋭い笑みを浮かべるとクルーガーを下がらせた。
「大儀であった、此度は私自ら指揮を執ろう」
 すぐにジューダスは少数の手勢を率いて聖堂を訪れた。
 聖堂に近付きオースペックスで丹念にスキャンしていくと、あたかも工場と研究施設のような間取りの構造物が聖堂の地下空間に存在する事がわかった。
「いよいよだ」
 ジューダスは究極のアーティファクト、ライフジェネレーターを手に入れる喜びに打ち震えていた。

 しかし。そのジューダスの淡い期待は爆音と共に無残に砕かれた。
 聖堂にやってきた彼の部隊は、インペリアルフィスト中隊から奇襲を受けてしまったのだった。
 「・・・ッ! クソ忌々しいドーンの犬どもめが!」
 無数のドロップポッドやライノが眼前に迫り、ランドスピーダーが快速を飛ばしてアルファリージョンを包囲していく。このような状態ではまともな戦いになどなりはしない・・・しかし、一旦口に出し掛けた徹底の二文字をジューダスは差し戻した。これはビアドを拉致するまたとない機会なのだ。
「この機を逃してなるものか!」
 ジューダスは徹底抗戦を決意した。
 インペリアルフィストが誇る精鋭・ターミネーター部隊が聖堂エントランス前にテレポートアウト、何人の進入も許さぬ構えで立ちはだかっていたが、ジューダスはそれも目に入らないかのように聖堂の入り口目掛けて突進し続けた。
 インペリアルフィストのサージャントをパワーフィストで叩き伏せてヘルメットごと首をもぎ取り、ジューダスは叫んだ。
 「私の進路を妨げる者は全て排除してやる!」
 しかし、彼らこそサンドロス中隊長自ら選抜してこの要所の守備を任せた精鋭中の精鋭だった。重要任務に奮起したターミネーター達はひるむことなくいつにも増して勇猛果敢に強大なケイオスロードと渡り合った。常ならぬ気迫のターミネーター達に打ち負かされ、深手を負った殺戮卿ジューダスは無念の撤退を余儀なくされた。
 同時刻、パウロサンドロス中隊長はドロップポッドで降下してアルファリージョンの本拠地、クルーガーが守る山岳砦を急襲していた。
 狂信者と背信者、二派に別れた超人兵士達がいつ終わるとも知れぬ戦いに身を投じてから気の遠くなるような時が過ぎようとしていた。ホーラスの反逆から1万年もの間、スペースマリーンとケイオスは果て無き闘争を続けているのだ。
 そして、ここジェニスでもまた果て無き闘争が始まった。
 チェーンソードが肉を裂き、ボルトガンがパワーアーマーを撃ち抜き内臓を破裂させる。アーマーの隙間から鮮血が噴出し、プラズマ兵器で焼かれた黒焦げの死体からは熱が抜けずに、いつまでもくすぶり燃え続けていた。
 仇敵を前にして誰も容赦などしなかったし、慈悲を期待しなかった。ただ両陣営は眼前の敵を殺戮する事しか考えていなかった・・・
 戦いというにはあまりに凄惨な殺し合いの末、決着はついた。
 アルファリージョンの損害は深刻になり、レッサーディーモン達が召喚に応じる間もなく背信者はことごとく討ち果たされてしまった・・・

 戦闘が一段落して警戒任務を続けていたターミネーター達の前に血まみれの2名の部下を引きずったサンドロス中隊長が聖堂に現れた。一同はその姿からアルファリージョン本拠地で行われた凄惨な闘争を想像し背筋の凍る思いをしたが、中隊長は彼らにかまう事無くそのまま聖堂に入ってビアドの捜索を始めた。
 6階層ほど下った場所で、サンドロス中隊長は遂に行方不明だったテックメイガス・ビアド=ドゥアを発見した!
 サンドロスが司令部への同行を促すと、ビアドは快諾してスペースマリーンの保護を求めたのだった。

 ローランド=デス=ガルド上級司令は笑みを浮かべながら攻撃の合図を出すタイミングをはかっていた。
 ケイオス信者である彼は主君とあおぐジューダスの求めに応じて裏切り者のボーシスとその支持者達を抹殺した。しかしながら彼の主ジューダスはローランドが望むハルコニアン連隊への直接攻撃を許可しようとはしなかった。ローランドに与えられたのは待機任務である。
「閣下はわたしでは伝説のロードコミッサー・クラウザーを倒す事が出来ないと考えているのだろうか?」
 ローランドはクラウザーの老いぼれ首を、彼ご自慢の巨大チェーンソー、エヴィセレイターで斬り飛ばしてジューダスに忠誠の証として献上したいと考えていた。
 そして今、その本懐を遂げる絶好の機会がローランドの元に舞い込んだ、ローランドの喜びは如何程だっただろう。
 彼の前に、クラウザーが無警戒にも縦列になった戦闘車両を先導してのこのこと東部宇宙港から進軍してくるではないか。
「あの陣形、完全に油断しきっているではないか・・・よし、やれ!」
 ジェニスファーストボーンはローランドの号令一下、遠距離からハルコニアン連隊へ砲撃をしかけた。
 無警戒に前進していたハルコニアン連隊のレマンラスとキメラは横っ面を叩かれて爆発、オレンジ色の閃光となって消えていった。ジェニス惑星守備軍司令官のいやらしい笑みでつりあがった口の端はその閃光を受けて更につりあがった。
 ローランドはこれぞ好機とばかりにエヴィセレイターの動作を確認しながら丘の中腹に陣取っていた拠点から出て前線に身を投じた。

 生き残ったハルコニアン連隊の反撃を受けながらもジェニスファーストボーンは素早く部隊を展開させてハルコニアン連隊を包囲し、ガーズメンの命を奪っていった。
 小回りの利くセンチネル部隊が高低差の激しい地形で身動きが取れないハルコニアンのキメラやレマンラスを攻撃していった。
 誰の目にも劣勢は明らかだ。
 クラウザーはかつての同胞であった惑星守備軍の裏切り行為に激怒し、ローランドを呪ったが状況は良くなりはしない、このまま戦闘を継続しては全滅という事も有り得る・・・賢明なるコミッサーは後日の捲土重来を期して撤退する事を選択した。
 彼は強力なアサシン、ジョン・ドゥーをボディガード代わりに雇い入れていたが彼に単身ジェニスファーストボーンの背後を衝いてローランドを抹殺するように命じた。
 惑星守備軍の追撃速度が落ちてくれれば撤退も幾分かましになるだろう、と考えての事だった。
 しかし、徒歩で逃走中だったクラウザーは護衛もろとも敵軍のレマンラスパニッシャーにロックされた。クラウザーの体を無残にもパニッシャーキャノンの弾頭が貫通し彼の命を奪った、その弾痕はまるで映画フィルムの巻き取り穴のように等間隔に老コミッサーの遺骸に惨たらしい傷痕を残した。
 命辛々逃げ延びたハルコニアン連隊の兵士達はコミッサーの亡骸を回収した、彼らは偉大な指導者の在りし日の姿をしのんで、苦い涙を流す事しかできなかった。


 数日が過ぎようとしていた。

 パウロ・サンドロスは東部宇宙港のハルコニアン連隊司令部に到着した。
 ビアド=ドゥアと彼の補佐をするサーヴァイター達はインペリアルフィストのヴェテラン部隊の護衛の元、サンドロスに同行していた。
 サンドロスの任務は果たされた。

 マリーン達の尊い犠牲の元に帝国にとって戦勝祝賀式典をするに相応しい戦果がもたらされた。アデプトは無事に救出され、ティラニッドの脅威は去った。東部宇宙港はエルダーの手から奪い返されファラディーズハイヴのアルファリージョンを駆逐した・・・!

 しかしその戦勝ムードを完全に打ち消すほどの恐ろしい報告がパウロにもたらされていた。
 ディーモンがイーデンハイヴを完全に支配下におき、ジェニスSU号星を完全なるディーモンの惑星へと変えるべく勢力を強めている事、ジェニスファーストボーンが未だに大陸のどこかに潜伏して反撃の機会を伺っている事、ジューダスの死体が聖堂近辺から見つからなかった事、ビアドがライフジェネレーターの場所について堅く口を閉ざしている事・・・そしてそれらのどれよりも最悪な事態が起こっていようとは・・・帝国の偉大なる英雄、ロードコミッサークラウザーが戦場で没したという報告はパウロを激しく落胆させた。

 この日、サンドロス中隊長は連隊の新しい司令官に挨拶がてら、ビアド=ドゥアを交えて今後の打ち合わせをするべく連隊の本陣を訪れていた。
 サンドロスが守衛に面談の旨を伝えると一向を先導し始めた。
 てっきり司令室に案内されるものだと思っていたサンドロスはその兵卒が自分達を医療施設に連れて行こうとするので軽く困惑していた。
 しかしすぐに大きな驚きとともに兵士の案内先が間違っていなかったことを理解した。
 ・・・なんと、サンドロスの眼前にはベッドに横たわったクラウザーがいたのだ!

 頭からつま先まで、全身を包帯で巻かれ左腕、片目、片方の耳を失っていたものの、彼はこのとおり生きている!
「やあ、中隊長殿! わたしが新しい司令官でがっかりしましたかな?」
 インペリアルフィスト中隊長を見上げながらクラウザーは威勢の良い声で挨拶した。
「我々はケイオスとエイリアンどもを追い払うのに成功した。さあ、最後の仕上げ・・・ライフジェネレーター捜索に取り掛かるとしましょうか」

 パウロ・サンドロスはただ驚きのあまりクラウザーに笑みを返すことしかできなかった。
 主任医務官が入室してきて事態が飲み込めないサンドロスに経緯を説明し始めた。
「ロードコミッサーはここに運ばれてきた段階では確かに死亡していました。しかしストレッチャーに寝かせて10分ほど後・・・死んだはずの彼が咳き込んで血を吐いたのです。こんな話はもう、前代未聞ですね、医学的に考えて有り得ない事態が・・・」
 クラウザーは医務官よりも大きな声を出して彼の発言を制した。
「医学的な事はよくわからんがまあ早く言えばあの裏切り者のローランドに一発かましてやるまでは死んでも死にきれんということさ! さあ、ちょうどアデプタスメカニカスから派遣されたメイガスチームも到着しているようだし、アデプト・ビアド=ドゥアご本人からいろいろ聞く事にしようじゃないか」


 謎に包まれたテックアデプトは老コミッサーの問いに答えるべく、ゆっくりと彼の前に歩み出たのだった・・・
対戦結果
第三回戦
1. デーモンはティラニッドを退け、Eaden Hiveのコントロールを得た。
2. インペリアルガードはエルダーを虐殺し、 Eastern Starportのコントロールを得た。
3. スペースマリーンはケイオスマリーンに勝利し、Pahradiess Hiveのコントロールを得た。
4. インペリアルガード(ケイオス側)はインペリアルガード(帝国側)に勝利したが、Eastern Starportの支配権を奪取できなかった。

Current Standings
1. Imperial Guard (Imperial Faction) - 9
2. Daemons (Chaos Faction) - 8
3. Chaos Marines (Chaos Faction) - 5
3. Space Marines (Imperial Faction) - 5
3. Eldar (Xeno Faction) - 5
6. Tyranids (Xeno Faction) - 4

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