Written by Daniel
翻訳by てらだ
※広島会のダニエルさんが執筆したストーリーをさがりの会(福岡)のてらださんが翻訳&加筆してくださいました。
この場を借りてお礼申し上げます。素晴らしい翻訳本当にありがとうございました!それでは皆さん、てらださんによる翻訳文をぜひお楽しみ下さい。

そう、まさしく今、ジェニスSUの主要大陸において戦いの火蓋が切られた!
戦端を開いたのはエルダー。彼らは北東の荒野と南東の湿地帯に突如として姿を現した。彼らは守備部隊を圧倒し、航空防衛拠点スカイシールドを瞬く間に確保した。

 ジェニス惑星守備軍が手薄と見るや、機を見るに敏なエルダーの指導者エクスアーク・ジェイドは矢継ぎ早に指示を出した。東部宇宙港とハイヴシティ・イーデンハイヴを強襲するべくヴァイパー及びジェットバイクを擁する高速部隊で2つの目標を一息に陥落せしめんとしたのだった、これぞエルダーという種族特有の『狡猾さ』のなせる業であろう。

 イーデンハイヴ及び宇宙港の主要施設はエルダー達の武装の優位性をひけらかす演習場であるかのように一方的に破壊され、数万の罪無き帝国市民がその破壊行為の犠牲となってしまった。これは現地の惑星守備軍が早々と防衛拠点を放棄して退却したが故に招かれた結果である。

 エルダーの虐殺をからくも逃れた避難民はアンダーハイヴ、地下都市へとたどり着いた。だがしかし、彼らはそこでもう一つの異種族と遭遇してしまった。それは冷酷なエルダーよりも更に恐ろしいエイリアン、残虐無比のティラニッド!

その獣・・・ジェニスでは未確認の個体であるジーンスティーラーは惑星の休止した活断層の中に人知れず潜んでいたが、ここにきて人類の生肉で自らを満たすために姿を現した。

 数多の貪欲な肉食獣達が市民の大半を引き裂き、飽くことを知らぬがごとく犠牲者の肉を胃袋におさめていく・・・エルダーの襲撃を逃れた生存者はアンダーハイヴで急激にその数を減らしていった・・・

 この新種のティラニッドの出現は予言者を抱える彼らエルダーにさえ予見できなかった。予期せぬ強敵の出現にエルダーの先遣隊は圧倒されハイヴシティーの中程まで押し返された。

数十人ものガーディアン達そしてエルダーの誇る戦士階級アスペクトウォリアーですら、潜んでいたジーンスティーラー達の爪によって容易く五体を引き裂かれていった。ジーンスティーラーの力にかかればアスペクトウォリアーもイーデンハイヴの市民と大差はないのだ。エルダーと人間の肉塊からなる大量の有機物を摂取したティラニッド達はエルダーとの戦闘で損失した個体を再生するべく有機物の消化プールを構築し始めたのだった。

 エクスアーク・ジェイドはティラニッドの奇襲攻撃を受けてハイヴシティーからの撤退を余儀なくされたが、狭いアンダーハイヴでは活躍しなかった兵器群がより広い戦場、東部宇宙港においてようやくその本領を発揮した。移動砲台ウォー・ウォーカー、反重力戦車ファルコン及びファイアプリズムが一斉に射撃を行うと、今度はティラニッド達が下水道、地下洞、及び荒れ野まで撤退を始めた、エルダーはティラニッドの猛進撃を何とか宇宙港で押しとどめる事に成功したようだ。
 今は亡き人間どもから奪った施設についてジェイドは予言者たるファーシーア・バルボアからの助言を入れて、宇宙港をエルダーの前線基地として改装することにした。

 ジェイドとバルボア、いにしえの強者である彼らは如何にしてティラニッドがこのジェニスに到着したのかを分析した。エルダーのレンジャー部隊パスファインダー達がもたらした情報から、ティラニッドはいくつかの工場(人間の作った低レベルな物)を中心にした大陸全土に攻撃をしかけており、今回発見された未知の新種がその密やかにして大規模な侵攻の役目を担っていたのだと結論付けた。それはおそらく彼らエルダーがかつて知り得ていたティラニッドの進化系統とはまったく別の系統をたどったものであろうと思われた。

 確かにティラニッド達はエルダー達にとっても恐るべき敵であるが、もしもこの異形の獣達を人類やケイオス勢力の拠点にけしかける事ができるのならば、敵の敵は即ち味方・・・ティラニッドの存在はエルダーにとって多大なる利益をもたらす事だろう。

一方その頃。
 アルファリージョンのケイオスロード、殺戮卿ジューダスは姿を消したアデプト・ビアド・ドゥアの行方を探りながらジェニス各地にエージェントを潜伏させる完璧なプランを立案したが、ここで3つの思いも寄らぬ運命のいたずらが彼を襲った。

 1番目は彼の完璧なプランに不確定要素が絡んできた事だ。東部地域でのエルダーの出現・・・『この凶兆、如何に対処すべきか』とジューダスは頭を悩ませた。

 2番目は彼の放った主任工作員ことジェニス政府知事の突然の死と、知事を死に追いやったコミッサーロードがハルコニアン連隊の兵権を握った事だった。彼にかかればコミッサーロードごときは取るに足らない小物ではあるがこのクラウザーという男だけは必ずや自身の手で血祭りにあげる、とジューダスはケイオスロードの威信にかけてコミッサーへの報復を誓った。

 3番目、混沌の神々が彼を見限り、その計画を妨害せんと自らの配下であるデーモン達を送り込んできた事であった。

 『・・・時が来た、我らの雌伏の期間は終わりを告げたのだ』

 ジューダスは新しい主任工作員であるジェニスSU惑星守備軍のオーランド上級司令に、自らの計画の妨げとなる者全てを攻撃するよう指令を出したが、接近中のスペースマリーン達を罠にかけるためにジェニス駐留中のハルコニアン連隊への攻撃だけは禁止した。

 アルファリージョンの指揮官はファラディーズ沿岸都市及び海浜宇宙港で開きかけている扉、『歪み』と呼ばれる異界とつながるワープゲートの開通を阻止しようと自ら軍を進めた。
 デーモンとアルファリージョンの闘争は凄絶を極めた。

 ティーンチ神の下僕フレイマーが突如として姿を現しアルファリージョンの戦士を歪みの炎で焼くと、戦士達はデーモンにボルターの一斉射を浴びせて蜂の巣にする。宇宙港ではコーン神の下僕ブラッドレターとフレッシュハウンドが施設を蹂躙して回り、人間の労働者共々ケイオスマリーンを殺害していく・・・戦いは双方に多大なる被害をもたらしたのだった。
 ジューダスの危惧は大きかった・・・もしもこのままワープゲートが開いたままだとジェニスは完全にデーモンの星と化す事は想像に難くない。そしてもちろん、ビアドとライフジェネレーターを手に入れるという彼の遠大な計画は水泡に帰すだろう・・・彼は意を決して配下のケイオスソーサラーに命じて魔術を行使させた。ファラディーズハイヴのワープゲートを守護する強力なティーンチ・デーモンプリンスの精確な居場所を魔術によって探索したのだ。
 位置を特定したケイオスロード・ジューダスは更に自ら混沌の魔術を行使して自分の言いなりとして働く下級悪魔レッサーデーモン達を召喚した。そして自らレッサーデーモンを率い、総勢でティーンチ・デーモンプリンスに襲いかかったのであった。

 レッサーデーモン達のアックス、プラズマ兵器、そして自らのパワーフィストによる打撃と持ちうる全てを駆使して、ジューダスは見上げんばかりの巨大な敵を見事に打ち負かして、それを『歪み』の中へと追い返した。

 守護者を失ったゲートは現実空間でその存在を維持する事ができず、程なく閉じてしまった。
 ジューダスはファラディーズをその手中に収めると、残るデーモン達の掃討を開始したが強力なグレーターデーモン、ナーグル神の下僕グレートアンクリーンワンの一撃で大きな傷を負い出鼻をくじかれた。

 これ以上の犠牲を出す事を恐れたジューダスは、敵を追い散り散りに展開したアルファリージョン部隊に再編成の指令を出した。そして待機していた人間の惑星守備軍にハイヴシティー内の数十万の市民を都市から強制退去させたのだった。

 当然、この退去命令に従わない者は次々に処刑されていった・・・
 ・・・ファラディーズの勝利とは対照的に宇宙港でのアルファリージョンは凶暴なデーモンに為す術なく撃退されてしまった。しかしながら宇宙港にいる数少ない生贄達の血ごときで貪欲なケイオスの神々が満たされるはずもない、そうなればワープゲートの維持は困難であろう・・・ジューダスはそうにらんでいた。本来の目的であるインペリウムとの決戦の前に敢えて貴重な戦力を失う事もあるまい、と考えた彼は宇宙港をデーモンにくれてやる事にした。
 こうして彼の計画は次の段階へと移行するのであった。

 ・・・一つのワープゲートは閉じた。だがジェニスSUの随所で獰猛なデーモン達が開きかけのワープゲートから次々と流れ込んでいた事をこの時のジューダスは知らなかった・・・

『我々から口火を切る事は無い。しかし彼らに到着を告げる必要もまた、無い』

 これがパウロ=サンドロス中隊長のジェニスSUへの降下に際してのプランだった。
 降下の最中、中隊はオーランド司令の惑星守備軍が仕掛けた罠にまんまとはまってしまった。
『ジェニス・ファーストボーン』、栄えある第一次創設部隊として知られる彼らは長きに渡りこの惑星を守備してきたため当然ながら誰よりもジェニスの地形に精通していた。惑星の地表への降下という無防備な数秒間に、パウロのインペリアルフィスト中隊は待ち伏せしていたファーストボーンの苛烈な攻撃を受けて劣勢に立たされた。
ミサイルとレーザーの一斉射で多くのマリーンとドレッドノートを失ったパウロに選択の余地は無く、彼は中隊にモデスティーハイヴの外れにある廃墟までの後退を命じなければならなかった。

 秘儀を司るライブラリアン・スターンが守備軍から発せられるケイオスの波動を感知すると、サンドロスの疑いは確信となった、やはり惑星守備軍はケイオス信者・・・『破滅の軍勢』の下僕と化していたのだ。

 その時、スカウト部隊がハルコニアン連隊がインペリアルフィストに迫りつつある事を告げた。
『報復の時は今をおいて他に無し!』
 不撓不屈の魂の体現者たる指揮官パウロ=サンドロスは、彼の率いるインペリアルフィスト中隊に対して、廃墟の外に陣取った数において倍するハルコニアン連隊への突撃を指示した。
 ここモデスティーハイヴでもまた、ぶつかりあう二つの勢力が共に膨大な戦力を消耗した。
 中隊長と彼の信頼するバトルブラザー、サラザール軍曹の2人はハルコニアン連隊のリーダーを探して反逆の首謀者として引きずり出してやる、と決意を固くしていた。その決意の現れか、廃棄された複合施設で2人は50人以上のガーズメンを相手に奮戦しこれを一蹴した・・・サラザールがダース単位のガーズメンの死体に埋もれ押しつぶされる様を見ながらサンドロスは複合施設の屋上まで上り詰め最後の敵を倒した。彼のパワーアーマーはガーズメン達のべたつく血で滑り、輝かしい橙色は赤黒く染めあげられていた。
 しかし最終的には凄惨な殺戮が行われた屋上では、滞空するヴァルキリーから屋上へ降下したストームトルーパー達が返り血塗れのパウロ=サンドロスを取り囲んでいた。時ここに及んでサンドロス中隊長はようやく『敗北』という屈辱の2文字を受け容れた。

 ・・・最後まで抵抗を続ける覚悟をしていたサンドロス達だったが、どういう訳か彼らを包囲したハルコニアン連隊は何の攻撃も査問もしてこなかった。部隊からの報告を受けて戦場に到着した連隊の司令官クラウザーは、すぐにこのマリーン達がアルファリージョンではない事を確信してサンドロスの包囲を解かせた。

 インペリアルフィストとハルコニアン連隊は互いに罠にはめられて『同士討ち』をしていたのだった。
 ケイオスというインペリウムの仇敵を前にして、ロードコミッサーとスペースマリーン中隊長という2名の歴戦の勇士、そして彼らに率いられた屈強なる戦士達は既に起こってしまった不幸な『同士討ち』についてお互いに謝罪する必要が無い事を十分に理解していた。 

 サンドロス中隊長は真の敵と戦うために『ハルコニアン連隊と惑星守備隊の査察そしてクラウザーの異端審問を行う』という裏の任務内容を明かさねばならなかった。マリーンにとって陛下から直々に賜った任務の内容とはガーズメン如きに軽々しく漏らすべきでない秘匿事項ではあるが、最早ここにおいて任務はビアドの捜索という容易い物では無くなっていたためサンドロスはクラウザーに秘匿事項を明かして彼の全面的な信頼を得る必要があった。そう、今やマリーンとガーズメンは共に力を合わせて皇帝陛下の矛となり、恐るべきケイオスの使徒とそれに与するジェニス=ファーストボーンを打ち破らねばならないのだから。


 スカウト部隊からの情報を分析し現在の状況を鑑みるに、ジェニスSUの主要大陸全体で多数の勢力による戦闘がほぼ同時期に勃発したと思われる。

 エルダーの軍勢が宇宙港に駐留し、イーデンハイヴは恐るべきエイリアン・ティラニッドの手に落ちた。北の海浜宇宙港ではデーモンによる市民の大虐殺が行われているという事らしい。

 クラウザーとサンドロスは補給もそこそこに新しい戦略を練り始めた。こうして2つの司令部は一つとなり、力を合わせて次なる一手を打つべく協議を重ねた・・・そう、ジェニスSU号星をめぐる戦いはまだ始まったばかりなのだ。

対戦結果
第一回戦
1.ティラニッドはエルダーに勝利し、イーデン・ハイブのコントロールを得た。
2.ケイオスマリーンは辛うじてデーモンを退けファラディーズ・ハイブのコントロールを得た。
3.インペリアルガードはスペースマリーンを虐殺し、モデスティー・ハイブのコントロールを得た。
4・インペリアルガードは再びスペースマリーンを下し、1つのタイルを得た。

現在の順位
1. Imperial Guard (Imperial Faction) - 7
2. Tyranids (Xeno Faction) - 6
3. Chaos Marines (Chaos Faction) - 6
4. Daemons (Chaos Faction) - 6
5. Eldar (Xeno Faction) - 6
6. Space Marines (Imperial Faction) - 5

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