何故ドリームブレイドは流行らなかったのか考察 Written by Rman |
ドリームブレイドはなぜ流行らなかったのでしょうか? 一部じゃ流行ってたよ!という意見もあるかと思いますが(笑)それは置いておいて。 現状、展開が終わってしまってる以上、結果論はいくらでも言えてしまうわけですが、ドリームブレイドには申し訳なく思いつつも、思いつくままに書いてみようと思います。 @ミニチュアの魅力について ドリームブレイドのミニチュアは好きな人は大好き、嫌いな人は嫌いという評価が極端に分かれるデザインラインでした。 もっと言えば、決して一般ウケするようなものではありませんでした。 メーカーであるWizards of the Corst社(以下WotC)が同じく手がけるD&Dミニチュアなどが販売を伸ばしていた背景には、 やはり普遍的なファンタジークリーチャーを気をてらわずデザインしていたことによる、ある意味安心感というか安定感もあったと思います。 一方、ドリームブレイドといえば普遍的ファンタジーは二の次で、奇抜さをウリにした悪夢のごときグロテスクなデザインが多く含まれていました。 このグロテスクさに拒否反応を示したユーザーは沢山いたように思います。 僕なんかはホームランでしたけどね(笑)。身近な友人の中でさえ「これはちょっと・・・」という人が多かったですからねぇ。 多くのユーザー獲得を阻んだのが、ドリームブレイド最大のウリであったミニチュアとは皮肉な話ではあります。 Aトーナメント指向の徹底 メーカーはこのゲームをトーナメント主導で盛り上げようと決めていたらしく、 最初のエキスパンションからしてトーナメント広告が入っているという念の入れようでした。 これ自体は悪い話じゃないと思いますが、このトーナメント重視の考え方が徹底されすぎたおかげで、色んなモノを見失ってしまったような気がするんですよね。 例えば、ミニチュアそのものの魅力。ミニチュアゲームを専門に遊んでる僕としては、 ミニチュアの魅力ってすなわちミニチュアの造形であったりペイントであったり格好え〜とか、そういうところなんですよね。 これがあまりにもトーナメント重視の政策の中で軽視されてしまった、 この辺にドリームブレイドのミニチュアをコレクションするということに対する価値が薄れてしまったように思えるんです。 だから、かなりどうでもいいクソな造形のスカラベウォーチャームとかがゲームで強いというその一点だけで異常な値段で売買されたり、 逆にゲームで弱い奴はどんなに優れた造形でもカス扱いだったりしました。 まぁマジックとかのトレカでなら、そんなことは日常茶飯事なのでしょうが、せっかくのミニチュアが泣いてるなぁと生粋のミニチュアゲーマーとしては思わざるをえなかったわけです。 僕自身は確固たる価値観を持ってドリームブレイドのミニチュアを愛でていたので、それはいいんですが(笑)、 一般的なカジュアル・プレイヤーにとってはトーナメント指向に過ぎるWotCの方針にはちょっとウンザリしたんじゃないかと思うんですよね。 様々な関連製品を一般販売せず、ことごとくトーナメントの景品にしてしまったあたり、メーカーがカジュアルプレイヤーを軽視していたことを証明してますよね。 B世界観の欠如 そして、もう1つ、WotCはトーナメントの整備は徹底的にやってたようですが、その他のことはほとんどやらなかったんですよね。 世界観の掘り下げもオフィシャルサイトで細々と連載されたミニ小説のみで、あとはミニチュアに刻まれたフレーバーテキストから読み取るしかありません。 優れたミニチュアゲームには優れた設定、世界観が付きものです。 ドリームブレイドの世界観はその構想こそ魅力的でしたが、トーナメント重視の中で自らが夢使いであるという設定すらいつしか忘れされられてしまったように思います。 ほんと、このメーカーはこの辺、手を抜いてましたよねぇ。 カジュアルプレイヤーにとっては寂しい話しでしたよ。 もっと、色んな方向からこのゲームを盛り上げることが出来たんじゃないかって思うんですよね。 例えば世界観を題材にした小説をどんどん発表するとか、最近何かと定番化しつつある少年を主人公にしたマンガ化(笑)とか、まぁ、トーナメント以外にももっと何か出来ただろうと。 マンガが出てたら大ブレイクしてたかもしれませんよ?(笑) コレクションの話でいえばもうひとつ。 たぶん、世界観の充実ってことはミニチュアそのものへの魅力に付加価値を与えてくれることになると思うのですが、 世界観が欠如してしまったために、結果ドリームブレイドのミニチュアはただのヘンテコ・クリーチャーにしか見えないという所にまで落ちぶれてしまったような気がします。 それが、コレクションの意欲を削ぐ要因にもなってると思うんですよねぇ。 C身の程をわきまえず金食い虫だった メーカーはこのドリームブレイドをトーナメントでフル活用するツールとして発売していただけに、 常にトーナメントシーンが新鮮であることを狙ってか、新エキスパンションが3ヶ月に1つ出るという凄まじい展開でした。 ちょっとこれね、真面目に買ってたら凄い金がかかる話なんですよね。それこそ、「ドリームブレイドだけ」になってしまう。 僕のように普段あんまり遊べない人間からすると、ほんとちょっと待ってくれって感じです(笑)。 トーナメントを突っ走ってた一部の人にとっては良いことだったかもしれませんが、 大多数のカジュアルプレイヤーにとっては、何かのついでに遊び始めたゲームにそこまで金かけられるかよ!ってなっちゃったんじゃないかと思うんですよね。 寛大な僕ですら、ちょっと無いなって思いましたから(笑)。 僕は最初のエキスパンションとバクサーを買う時に卵帝さんとimaさんを誘いましたが、 それから遊びもしないうちに、次のエキスパンションが発売されてどうしようかと思いましたよ(笑)。 遊んでも無いのに「また買おうや」とはとても言えない感じでした。ま、結局僕はそれでも頑張って買い続けてしまったんですけどね。 この異常なまでの販売スケジュールもそうですが、もっと問題だったのはそもそも値段が高かったということでしょうか。 カードゲームのように1パック500円とかならいいですけど、ブースターが1つ15ドル、日本輸入版は日本語になってるわけでもないくせに2500円とかしましたからね〜。 それで入ってるミニチュアはランダムとか、普通のミニチュアゲームをやってる僕からすると「アホか」って値段です。 沢山買えばいらないミニチュアも大量にって感じで、これはブラインドボックスの宿命なのですが、 値段が高いだけにもちろんその分、ミニチュアも大ぶりでボリュームはありましたので、値段相応の価値はあったと思います。が、絶対的な価格として高い。 お手軽に始められるのは、このゲームの、というよりコレクタブルゲームの大前提のような気がするのですが、 この手のゲームでスタートセット5000円とか、ちょっと意味わからん感じでしたからねぇ。 値段からすると全然お気軽でも手軽でもないですよね。 しかもスタートセットとブリスター2〜3個(1万円)じゃ、まぁお察しの通り、おざなりなウォーバンドしか組めないわけです。 ドリームブレイドってトレーディングカードゲームのメインが(仮に)マジックなら、 コレクタブル・ミニチュアゲームのメインになることを目指すという壮大なプランの元、開発されたゲームのようなんですね。 でも、実際はCMG専属というユーザーは非常に少なく、(TCGやミニチュアゲームの)大方のユーザーにとってはサブゲームとして受け取られたんじゃないかと思うんです。 そこにきて、この値段は無いなって感じになるんですよね〜。 僕もね、よく買ったと思いますよ(笑)。 もっとゆっくり、長いスパンをかけてじっくり販売を続けて欲しかったという思いはあります。 ユーザー不在の中、行き過ぎたトーナメント指向がこのゲームを消耗品にしてしまった感は否めないところです。 この辺りにドリームブレイドが不発に終わった要因が集約されているんじゃないかと思います。 とまぁ、思うがままにドリームブレイドの残念ぶりを書き綴ってみましたが、 これを書きながらも、ドリームブレイドは展開の仕方さえ間違わなければけっこう良い線いったんじゃないかな?って気がしてきました。 だって、ミニチュアの好みはありますけど、好きな人にはストライクだし、ゲーム自体は凄く面白いんですから。 大事なところはちゃんとあるわけです。 メーカーがビックゲームにすることを狙い過ぎなければ、良く出来たミニチュアゲームとして長く愛されたかもしれませんね〜。 そんなわけで、次は一転、ドリームブレイドの魅力について書いてみようと思います。 |